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[大学MOM66]日本体育大DF田中優毅(2年)_関東2部のU-19代表、世界へ

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.8 関東大学2部第6節 日本体育大 0-0 國學院大 夢の島]

 存在感は別格だった。名門復活を目指す日本体育大のU-19日本代表DF田中優毅(2年=四日市中央工高)はこの日、右ワイドのポジションから攻守でチームを引っ張った。ディフェンス面では1対1で相手の突破を封殺。そして自らのカットからボールを前へと推し進めると、長い距離を走りぬいてからのクロス、シュートで相手ゴールを脅かした。敵陣でボールを失っても、自ら取り返して攻撃に移す場面があった。チームは攻め切ることができず、スコアレスドロー。その結果に納得はしていなかったが、能力の高さを随所で発揮した。

 三重の名門・四日市中央工高3年時に全国高校選手権でベスト8へ進出しているが、当時はまだ無名。それが全国大会後にいきなりU-18日本代表候補に選出された。同大会直前に行われた市立船橋高(千葉)との練習試合で活躍し、たまたま視察に訪れていた布啓一郎現U-19代表監督に自身を印象付けたことが代表選出の要因と分析するが、当時は代表への意識もなく「正直焦った」という。それでも抜群のスピードから繰り出すドリブル、クロスなどを武器にU-19日本代表でも右SBに定着しているDFは、現在ゲームキャプテンを任される試合もあるほど信頼を得ている。

 多くのJリーガーが名を連ねる年代別代表と関東大学2部との実力差があることは確か。だが、「常に代表をイメージして練習している」田中は毎日の練習で取り組むことでギャップを埋めようと必死だ。自身の意欲、そして意識の高い日体大の先輩選手たちとの練習によって、ライバルたちに引き離されないよう力を身につけさせている。
 今秋にはU-20W杯の出場権を懸けたAFC U-19選手権が行われる。チームの関東1部昇格とアジア予選メンバーに入ることが現在の大きな目標だ。関東2部からアジア、世界での戦いを目指す田中は「選ばれたら(09年のAFC U-19選手権1次)予選でできなかった守備の状況判断など課題を埋めて、攻撃面などできたところを伸ばして頑張りたい。ワールドユースに出たい」と誓った。

(取材・文 吉田太郎)

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