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[MOM71]筑波大MF森谷賢太郎(4年)_現状に満足しない技巧派

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.19 関東大学1部第8節 筑波大 2-1 拓殖大 西が丘]

 元日本代表MF風間八宏監督が「どのチームへいってもやれるはず」と信頼を置くMFが、その技術でチームを救った。0-1で迎えた後半34分、右CKを得た筑波大はMF小澤司(4年=桐蔭学園高)のキックのこぼれ球にMF森谷賢太郎(4年=横浜FMユース)が反応。ボランチのポジションながら高いシュートセンスを備えた森谷が右足を振りぬくと、狭いスペースを低い弾道で射抜いた一撃はゴール左隅へと吸い込まれた。

 「まずはシュート。シュートが打てなければ、よりゴールに近い選手へパス、そしてそれが無理ならサイドへ展開するというように、普段から、シュートから逆算した練習をしている」という森谷。「風間さんからは『シュートは入らなければおかしい』、と言われる。大事なのは集中力で『決める』という気持ちが大切。きょうも『ここぞ』、というときにボールに集中するという意識ができた」と値千金の同点ゴールを振り返った。

 「止める、蹴る」の技術の高さを評価され、下級生時から出場機会を得てきた。この日も雨で濡れたピッチにもミスのない安定したプレーで対応。PAへのくさびのパスを次々と通し、鋭いドリブルでも相手の脅威となった。そして後半43分には右サイドからのクロスでFW瀬沼優司(2年=桐光学園高)の決勝ゴールをアシスト。1得点1アシストで逆転勝利の立役者となった。

 ただ本人は「技術を期待されているけど、自分は技術に自信はない。プロにいけば自分よりも上手い人たちがまだまだいる。自分よりも上手い人たちを超えるためにはゴールが必要。止める、蹴るの技術も、『できているから』と言われるけど、きょうはパスを止めることができなかったし、受け手が止めることのできないパスを出してしまった。パスを後ろへ下げてしまう場面があった。これが全部いい形で前を向いて縦パスを出すことができればもっといい攻撃につなげることができる。まだまだ伸ばさないといけないことが多い」とさらなる技術力アップを誓う。
 この日は高校時代までを過ごし、自身の将来の目標でもある横浜FMの強化担当者が視察。その前で好プレーを見せた技巧派MFだったが、自らの技術を課題に挙げるなど現状への満足感は少しも感じさせなかった。

(取材・文 吉田太郎)

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