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[MOM269]広島ユースDF宗近慧_キセキの大逆転起こすゴール

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.27 日本クラブユース選手権(U-18)1次R最終戦 広島ユース 2-0 F東京U-18 Jヴィレッジ]

 奇跡の大逆転を起こしたのは、試合が、ロスタイムに突入するときだった。試合終盤にCBから前線に上がったサンフレッチェ広島ユースDF宗近慧は、前線でターゲットマンとしてボールを追いかけ続けた。そして、ゴールキックからMF柳川剛輝にボールが渡った瞬間、ロングボールが来ることを信じてゴール前でポジションをキープ。柳川から放たれたロングフィードは、ゴール前で頭一つ高く抜け出した宗近の下に届くと、「とにかく後ろにそらせば何か起こると思った」と、バックヘッドを放つ。このボールはGKの頭上を破り、ゆっくりとゴールネットをゆすった。値千金のゴール。このゴールがFC東京U-18を得失点差で上回る“V弾”となり、広島ユースを決勝トーナメントへと導いた。

 この試合、宗近は守備面でも大きく貢献した。広島ユースのフィールドプレーヤーで180cmを越す選手は彼一人。3バックのセンターとして的確なコーチングとカバーリングで、守備を統率するだけでなく、空中戦でも気を吐いて、相手のクロスをはじき続けた。彼を中心とした堅い守備があったからこそ、自身の値千金のゴールが生まれ、ミラクルが起こった。

「気持ちでは絶対に負けたくなかった。ここ一番の強さが出た」。気持ちでチームを引っ張る頼れるディフェンスリーダーは、決勝トーナメントでも最終ラインからチームを鼓舞し続けるだろう。

(取材・文 安藤隆人)

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