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[MOM271]柏U-18MF相馬大士(3年)_U-17代表主将が劇的勝利導く

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.30 日本クラブユース選手権(U-18)準決勝 名古屋U18 0-1 柏U-18 三ツ沢]

 110分間の激闘に決着をつけたのは柏レイソルU-18のU-17日本代表MF相馬大士だった。

 4-1-4-1の最終ラインと攻撃的MF4枚の間のポジションを担う戦術上のキーマン。174cm、72kgというがっちりとした体躯を持つMFは、パワーとフィジカルの強さが印象的だ。ただ味方の危険を察知すると一瞬のギアチェンジでスピードアップ。一気に相手アタッカーとの間合いを詰めて、スペースを消す役割も果たす機能性の高さも示していた。

 また攻撃面では前半29分、サインプレーでの右CKから中央でボールを受けると胸トラップからクロスバー直撃の右足シュート。攻守にダイナミックな動きを続ける相馬はピッチを見渡す限り最も目立つ存在だった。

 ただ、元日本代表MFでもある下平隆宏監督の評価は「ミスが多かったし、きょうは全然ダメだった」。確かにパスミスが多く、ディフェンス面ではサイドへ追い込みながら相手アタッカーに入れ替わられて背走させられる場面もあった。
 相馬は1月にメキシコで開催されたコパ・チーバス2010ではU-17日本代表の主将として宇佐美貴史(現G大阪)ら1学年上の“プラチナ世代”でも成し遂げられなかったグループリーグ突破。チームの代表格としてチームを決勝まで導いている。その実力を考えると、指揮官の目にも物足りなく映ったのかもしれない。

 ただ、内容の悪いままでは終わらない。「前に出たがっていたので」(下平監督)と延長戦終盤に前線へポジションチェンジすると、30度を超える暑さの中、ひとり別格の動き出しを見せる背番号5は直後に結果を出す。巧みなボールコントロールでDFをかわし、「シュートを打つだけ」の状態までつくり出したFW山嵜駿のラストパスに反応すると、右足でゴールへと叩き込んだ。「勝負どころで強い。見事決めてくれました」と指揮官も納得の一撃でチームを救った相馬。延長戦を含む110分間を通してのパフォーマンスはベストではなかったかもしれないが、間違いなく劇的勝利のヒーローだった。

(取材・文 吉田太郎)

連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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