beacon

[MOM272]東京VユースMF小林祐希(3年)_"東京Vを支えるために"決めたFK

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.30 日本クラブユース選手権(U-18)準決勝 東京Vユース 2-0 横浜FMユース ニッパ球]

 「俺たちはこれからヴェルディを支えていかないといけない選手。6年間いてヴェルディが大好きです」

 決勝進出を決めた後、MF小林祐希が話した言葉だ。

 0-0で迎えた後半2分。PA外右寄り、距離のある位置でFKを獲得する。キッカーは既にJデビューも果たしている小林。「くるぶし辺りに当てるように、躊躇したらダメ」(小林)と迷いなく左足を振りぬくと、無回転のボールは、相手GKの目の前で急激に変化。ゴールへと吸い込まれた。一気に流れを引き寄せる一撃だった。波に乗った東京Vユースは追加点を挙げ、2-0で勝利。決勝進出へと駒を進めた。

 準々決勝は、累積で出場停止。だからこそ、「みんなが勝ってくれて良かった」と、1試合空いての今試合にかける思いは格別だった。試合前の準備から、自らのペースが乱れ、「自分じゃねえな」と思うような精神状況。気合を入れ、朝ごはんを食べ過ぎたため、体が重かったほどだ。しかし、得意の左足で見事に結果を出した。
 
 決勝に向けては「ヴェルディを見せつける。相手や見ている人たちに、俺たちには出来ないと思わせるくらいじゃないといけない。日本の一位を決める大会だから」と力強いコメント。そして、自身は「ハットトリックを決めます」と話した。

 トップチームの経営問題は、耳に入ってきている。だが、だからといってやることは何一つとして変わらない。ただ、勝つこと。そして、結果を出すこと。それが未来のヴェルディを支えることにつながると信じているからだ。

 既にJで定位置を獲得している同期の横浜FM・FW小野裕二やG大阪・MF宇佐美貴史のことを聞かれても「俺は俺なんで、いつか自分の時代が来るって思ってるし、来るようにしなきゃいけない」と話す。そこには『俺=東京V』という意味がこもっているように聞こえてくる。

 あと一勝で日本一。自分のためにも、東京Vのためにも、勝つしかない。

(取材・文 片岡涼)

TOP