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[MOM276]市立船橋DF平尾優頼(3年)_新たなイチフナの象徴に

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[8.1 全国高校総体1回戦 市立船橋 2-1 青森山田 具志川多種目球技場Aコート]

 試合を通じてほぼ追う立場だった優勝候補・青森山田が見せた怒涛の猛攻。だが、市立船橋の最終ラインに聳え立つ187cmのCB平尾優頼主将がCB山野辺大樹とともに巨大な壁となってその攻撃を跳ね返した。
 
 危険なボールはセーフティーにクリアし、ハードワークも欠かさない。そして浮き球は容赦なく頭で撃ち返した。「きょうはレフリーの接触プレーに対するファウルの判定が厳しかったので、無理に飛び込まないで待って対応した」と冷静な判断も見せて1点リードを死守。後半15分に退場者を出し、10人での戦いを強いられたイチフナに主将の熱く、そして冷静なディフェンスは欠かせなかった。

 07年、08年と2年連続全国総体優勝を果たした市立船橋だが、昨年は団結力に欠き千葉県大会を突破することすら叶わなかった。平尾自身にとっても悔しい1年。そして新チームも苦しい戦いが続いていたが、この日10人で優勝候補の青森山田に勝ちきったことで「イチフナ復活」を強く印象付けた。
 ただし、まだ1勝しただけ。もちろんイレブンに気の緩みはない。平尾自身も感傷に浸ることなく「優勝する」と宣言する。今大会、日本一を奪還して自分たちの強さを示すつもりだ。過去、“強いイチフナ”には羽田憲司、中澤聡太、増嶋竜也らその象徴となる素晴らしいCBがいた。「自分もそういうレベルになりたい」と意気込む平尾。イチフナを支える最終ラインの柱として今大会を制し、まずは結果で先輩たちに肩を並べる。

(取材・文 吉田太郎)

平成22年度全国高校総合体育大会「美ら島沖縄総体2010」

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