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[MOM313]立正大淞南DF中村宏輝(3年)_攻撃的SBが公式戦初CBで静学完封

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.18 全日本ユース選手権1次R第3戦 立正大淞南高 2-0 静岡学園高 藤枝総合]

 主将の思いに応えた。立正大淞南高のDF中村宏輝は本来左SBのレギュラー。だが、決勝トーナメント進出をかけた静岡学園戦は主将の中村謙吾が出場停止だったため、公式戦で初めてCBとして先発を務めた。送り出した南健司監督も「中村(謙吾)おらんならキツイと思っていた」という状況だったが、代役CBはCB竹内洸とともに最終ラインの中央で相手の攻撃を食い止め、見事完封勝利と決勝トーナメント進出の権利をチームにもたらした。
 「絶対勝ってくれ」と願う主将に勝利をプレゼントした中村宏は「高円宮杯は初勝利ですし、勝ててうれしい。淞南という名前を大会にまだ残したかったんでよかった。出るだけの大会で終わりたくなかった」と笑顔を見せた。

 立ち上がりこそ「みんな上手い」と振り返った静岡学園アタッカー陣にPAまで入り込まれた。だがその後は「落ち着いてできた」という通り、180cmの長身を生かしドリブル突破を仕掛けてくる相手のボールを次々と引っ掛けた。スペースをつく動きのない、単調な攻撃のみとなった静岡学園はCBの堅い壁にも跳ね返されて完全に行き詰まった。無謀な突破、パスを繰り返す相手を冷静に仕留めた中村宏は「簡単に飛び込んでかわされないように気をつけた。無失点でいけたんでよかったです」

 この日は守備面に集中したが本来は高精度の左足を武器に左サイドから攻撃をつくるSB。「スペイン代表のセルヒオ・ラモスのような攻撃、仕掛けができれば。相手に嫌がられる存在になる」。中村謙が復帰する決勝トーナメント1回戦、清水ユース戦はこの日封印していた攻撃力も加えてチームの勝利に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)

連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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