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[MOM316]F東京U-18FW秋岡活哉(3年)_監督交代に揺れるトップチームへ届ける2発

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.20 全日本ユース選手権決勝T1回戦 F東京U-18 2-0 青森山田高 西が丘]

 グループリーグ初戦の富山一高戦(3-0)に続く1試合2得点でチームを3大会連続のベスト8へ導いた。F東京U-18のFW秋岡活哉(3年)の2発が、苦しい試合展開を一変させた。

 青森山田高に主導権を握られていた前半32分、ワンチャンスを先制点につなげた。自陣内でボールを回し、DF廣木雄磨がGK三浦龍輝まで戻した瞬間、秋岡はゴール目がけてダッシュした。

 「うちのGKはキックがいいんです。DFが(GKに)落としたとき、絶対に蹴るなと思った」。阿吽の呼吸で蹴った三浦のロングフィードにFW前岡信吾が競り合うと、相手DFのクリアミスもあり、ボールは走り込んだ秋岡の目の前へ流れてきた。

 「(前岡)信吾が競ってくれて、流れてくるかなと思って用意していた。実際に来たので、自分は決めるだけだった」。劣勢の展開で生まれた値千金の先制点。「ずっと青森山田のペースで、FWも間延びしていた。あの時間帯で取れたのは大きかった」と胸を張ると、その7分後にもMF佐々木陽次のスルーパスから左足で2点目を奪った。

 「最初はあそこから何かしようかなとも考えたんだけど、外にボールを運んだらコースが空いていた。右も左も蹴れるように練習しているし、迷わず蹴れた」と、豪快にゴールネットを揺らした。

 絶対に負けられない理由があった。前日19日、トップチームであるF東京は城福浩監督の解任と大熊清新監督の就任を発表。降格圏の16位に転落し、降格危機に直面しているトップチームの現状は、下部組織であるF東京U-18の選手にも動揺を与えていた。

 19日に行われたミーティング。倉又寿雄監督が選手を前に「俺らがトップチームの励みになれるように頑張ろう」とゲキを飛ばすと、チームの思いはひとつになった。「僕らも同じFC東京ですから。あのミーティングですごく気合いが入った」と秋岡は力を込めた。

 10月3日の準々決勝の相手は札幌U-18に決まった。「ここまで来たら優勝したいというのは当然だけど、一戦一戦を大事にしていきたい。目の前の試合に勝っていけば、一番上に行ける。次の対戦相手のことだけを考えたい。札幌は東京V、浦和に勝ってきている。油断しちゃいけない」。監督交代で反攻態勢に入るトップチームに負けじと、自分たちは高校年代日本一へひた走る。

<写真>前半39分、2得点目を決めたF東京U-18のFW秋岡活哉は両手を広げて飛行機ポーズ

(取材・文 西山紘平)

全日本ユース2010特集
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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