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[MOM317]札幌U-18GK松原修平(3年)_“お調子者”守護神が導いた勝利

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.20 全日本ユース選手権決勝T1回戦 札幌U-18 4-2 浦和ユース 大和]

 コンサドーレ札幌U-18が終了間際の7分間で3ゴールと怒涛の攻撃をみせ、4-2で勝利を挙げた。

 試合後、逆転勝利を収めた札幌U-18の選手たちはサポーター席へ挨拶に向かった。そこでサポーターに煽られて、登場したのはGK松原修平。「サポーターが期待してたし、じゃあやってやる」と、チームが並んだ列の前に一人飛び出すと、“美脚”と“ダンス”が好きだという韓国人アイドルグループ「少女時代」のダンスを熱演。喜びを全身であらわした。1年生から繰り返してきた恒例行事だが、全国の舞台でも見せたサービス精神旺盛な松原に、サポーターもチームメイトも大笑い。札幌スタンドは和やかな雰囲気に包まれた。

 そんな松原のことを四方田修平監督も「お調子者」と話すが、この日のゲームで誰よりも落ち着いたプレーを見せたのはチームの守護神・松原だった。

 札幌は前半34分に先制するが、その後2点を決められ、逆転される苦しい状況。2失点目は、カウンターからのピンチに松原がPA外へ飛び出し、相手選手と交錯した間に無人のゴールに詰められたものだった。

 失点直後は「自分が(前に)いったことは間違ってないと思って自信をもってやっていた」松原だったが、時間とともに「やべぇな」と思い始めた。それでも「ここで後に響かせないのが自分の課題。ミスは後から考えよう」と前向きにプレーを続けた。

 そこからは好セーブの連発。カウンターのピンチをしっかり防いだ。そして、試合終了間際には攻撃でもチャンスをつくると、逆転勝利に大きく貢献。逆転弾となった3点目、4点目はいずれも松原の精度の高いゴールキックからのカウンター。「北海道でもやっていたのが全国でも通用して良かった」と笑顔をみせた。

 この日の松原の活躍に監督も「2失点ですが最少失点で防げたと思う。3点目、4点目のゴールキックも良かったし、カウンターの大ピンチもよく凌いでくれた」と評価した。

 準々決勝の相手はプリンスリーグ関東王者のF東京U-18だ。「厳しい試合になると思うけど、今日の逆転勝利で自信もつけたし、自信しかないんで。それを過信にならないように支えていくのが大事。失点をゼロに抑えて決勝までいきたい」と札幌の守護神は力強く話した。

 普段みせる「お調子者」の顔とは正反対の大人な表情をピッチでみせる松原。札幌で培ってきたものが全国の舞台でも通用している。あとはどこまで続けることができるか。挑戦は始まったばかりだ。

(取材・文 片岡涼)

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