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[MOM325]静岡学園高MF大島僚太(3年)_静学10番が導いた“夢”の国立

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.3 全日本ユース選手権準々決勝 静岡学園高2-1(延長)横浜FMユース 荻野]

 静岡学園高が劇的な勝利を飾った瞬間、この試合の殊勲者はベンチで涙していた。MF大島僚太は1-0の後半39分、勝利を確信し、ピッチを退いた。ところがチームは後半終了間際に同点ゴールを許し、10分ハーフの延長戦に突入。延長後半ロスタイムに再び勝ち越すまでの26分間、大島はベンチで祈ることしかできなかった。

 この日は得点に絡むことはなかったが、川口修監督は試合後「大島が攻撃でも核になってくれて、持ち味のドリブルでチャンスに顔を出してくれた。ディフェンス面でも本当によくやってくれました」と、その献身的なプレーを絶賛した。

 4-3-3の中盤の中央に位置し、アンカーとして守備の防波堤になったかと思えば、トップ下までポジションを上げて得意のドリブル突破で相手守備陣を翻弄し、チャンスを演出。豊富な運動量で動き回り、果敢なプレッシングでボール奪取を狙うなど中盤をかき回した。大島の動きがじわじわと相手にダメージを与え、延長戦に入ると、横浜FMユースの選手の運動量はみるみる落ちていった。

 勝利を呼び込む陰の功労者となった大島は「こういう舞台で勝てたということと国立に行けることがうれしい。国立でやりたいという思いはサッカーをやっている以上あったし、その夢が叶った」と笑顔を見せた。

 9日の準決勝ではサンフレッチェ広島ユースと対戦する。相手は攻撃サッカーが持ち味だが、攻守に渡ってだれよりもピッチ上で輝いていた大島が、“夢の舞台”である国立競技場でも躍動してくれるはずだ。

<写真>攻守に貢献した静岡学園高のMF大島僚太

(取材・文 片岡涼)

全日本ユース2010特集
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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