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[MOM330]F東京U-18MF岩木慎也(2年)_国立で暴れて来い! 期待に応えた先制弾

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.9 全日本ユース(U-18)選手権準決勝 三菱養和SCユース 1-3 FC東京U-18 国立]

 「国立で暴れて来い!」。MF岩木慎也は累積警告で今試合に出場出来なかったエースMF武藤嘉紀から、この言葉を送られてピッチに立っていた。

 そして「国立で暴れようとして……暴れました!」という活躍をみせたのだ。前半22分、左サイドでFW秋岡活哉からボールを受けると、練習で繰り返していた左足での豪快なシュートを決めた。この先制点で勢いづいたF東京U-18は、その後2得点を挙げ、3-1で勝利した。

 攻撃の主力が不在というピンチだったが、武藤は岩木のことを「僕も慎也(岩木)もドリブルで仕掛けていく同じタイプ。だからあいつなら出来るって分かってたし、信じていた」。そして、先輩の期待に岩木は応えると試合後には「点を決めようとしていてゴールに向かっていたら、先制点を奪えて良かった。嬉しかった」と笑顔をみせた。

 武藤の出場停止が決まったときから、岩木への激励は始まり、この2週間ずっと「国立で暴れて来い」と言われ続けてきていた。エースである先輩の期待に応えるのは、多少なりとも重圧があったはずだ。それでもしっかりと結果を残した。この岩木のゴールを武藤も喜び、ハーフタイムのロッカールームでは「あまりに嬉しかったので」と飛びつかれた。

 この日“代役”として出場した岩木だったがみせたプレーは、武藤に「素晴らしかった。自分より全然いいんじゃないかってくらい走り回っていたし、相手の脅威になっていた。でも次は自分が暴れる番」と言わせるほどのものだった。ここで自信をつけた岩木は決勝へ向けて「埼スタで出れたら、点を決めて優勝したいです」と力強く語ってくれた。

 あと1勝で日本一。決勝の舞台にはエース武藤も戻ってくる。“似たもの同士”の2人がF東京U-18を頂点へ率いてくれるはずだ。

(取材・文 片岡涼)

全日本ユース2010特集
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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