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[MOM84]仙台大FW奥埜博亮(3年)_脅威の決定力でハット

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.4 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント1回戦 同志社大 2-3 仙台大 西京極]

 エースの決定力をまざまざと見せつけられた。総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント1回戦、仙台大は3-2で関西王者の同志社大を下した。3得点は、すべてエースFW奥埜博亮(3年=仙台ユース、ベガルタ仙台特別指定選手)がたたき出したものだった。

 まずは3分、FKのフィードボールを頭でそらせてゴール。40分には混戦となった相手ゴール前で落ち着いて右からのセンタリングに対応してシュートを流し込んだ。そして後半6分にはくさびのパスを入れ、ツートップを組むFW佐藤世弥(3年=秋田商高)がポストプレーで落としたボールをフリーのポジションでもらい直し、弾丸シュートを突き刺した。

 仙台大は、この3得点の後で防戦を強いられ2点を返されたが、最後は逃げ切ることができた。公式記録に残された仙台大のシュート数は9本で対する同大は19本。エースが、決して多くないチャンスに発揮した決定力が物を言った。奥埜は試合終盤に足をつり、まともにドリブルができる状態ではなかったが、最後までベンチに退くことはなかった。今春から現場の指揮を執っている瀬川誠コーチは「延長戦もあるでしょ?」と言い、一瞬で勝利を決める仕事のできるストライカーへの信頼感を示した。

 奥埜はベガルタ仙台のジュニアユースを経てユースで活躍したが、トップチームへの昇格はならなかった。しかし、今年2月にJFA・Jリーグ特別指定選手として、仙台に加わり4月にはJデビューも果たした。「最初は(昇格できなかったチームに加わることになり)複雑な気持ちでしたけど、レベルの高いところでプレーができて良い経験になる。プロと一緒に練習や試合をすることで、落ち着いてプレーすることができるようになった」とハイレベルな環境に刺激を受けている。持ち味は「キープとゴール」と自負している。準々決勝の相手は関東の強豪・慶應義塾大だが奥埜は「まずは一つひとつ勝っていくこと。最終的には優勝したい」とあくまで頂点を狙い、臆することなく挑む腹積もりでいる。

(取材・文 平野貴也)

総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント特設ページ
連載:大学マン・オブ・ザ・マッチ

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