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大分が大金星。金崎「社長のために勝とうとまとまった」

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[11.22 J1第32節 大分1-0川崎F 九石ド]

 大分トリニータが首位・川崎Fを1-0で破る大金星をあげた。後半16分にFWに入っている金崎夢生が左サイドをドリブルで崩し、最後はFWフェルナンジーニョがゴールを奪った。試合内容も押し気味で、J2降格チームとは思えないサッカーを見せた。

 試合後のインタビューで金崎は「相手どうこうではなく、自分たちのサッカーをすれば勝てると思った。ポポヴィッチ監督のサッカーが浸透している。この1週間、いろいろあって、チーム一丸というか、社長のためにも勝とうとまとまった」と今季限りで退任する溝畑宏社長のために勝利を目指していたことを明かした。

 大分トリニータはJリーグから約6億円の借金をするなど深刻な経営難に陥っている。その責任を取る形で、20日に溝畑社長が今季限りで辞任することを発表したばかりだった。

 溝畑社長は94年の発足当時からクラブにかかわり、04年8月に社長に就任。昨季はナビスコ杯を制覇し、初のタイトルを獲得した。最終的には昨今の不景気のあおりをうけ、経営難という状況に陥ったが、社長就任後は独自の営業手法で立て直した実績もある。一時は“名物社長”としてテレビにも出演するほどだった。それだけに、選手たちの思いは複雑だったようだ。

 決勝ゴールを決めたフェルナンジーニョもインタビューで、「今年の試合でベストゲームだったのではないか。ゴールは全員の努力が実った。社長に捧げたい」と口にした。今年は悔しいこと続きのシーズンとなったが、残り2試合、大分トリニータらしいサッカーを見せて、ファンや関係者への恩返し、そして来季への糧としたいところだ。

(文 近藤安弘)

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