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浦和での最終戦?闘莉王「レッズは闘莉王を必要としてない」

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[12.5 J1第34節 浦和0-1鹿島 埼玉]

 浦和レッズのDF田中マルクス闘莉王がクラブから“戦力外通告”を受けたことをあらためて明らかにした。去就問題が取り沙汰されている闘莉王は試合後、報道陣に心境を激白。「ひとつ言えるのは自分から出ていくということではなく、レッズが自分を必要としていないということ。“闘莉王が移籍を希望している”という記事が多いけど、レッズは闘莉王を必要としていないということをここで伝えたい」と語った。

 タイトル獲得よりも長期的なチームづくりを重視するフィンケ監督との対立。「なぜ毎年優勝しなければならないのか」と主張する指揮官に対し、「レッズは常にタイトルを目指して戦わなければならないチーム」を持論とする闘莉王の言動は謀反と取られ、“不満分子”として扱われた。

 鹿島との最終節も「目の前で優勝させるのは嫌だった」というモチベーションで戦ったが、0-1の敗戦。ボールポゼッションを高め、パスをつなぎながら攻め込むシーンも多かったが、決定機と呼べるチャンスは少なく、無得点に終わった。

 「自分たちの前で優勝させるなんてカッコ悪い」と吐き捨てた闘将は「相手は大人のサッカー。相手の方が(得点の)確率の高いチャンスをつくっていた。サッカーはチャンスの数で争うスポーツじゃない。勝ったか、負けたかで争う。そこが一番大事だと思う」と、フィンケ流のサッカーに不満を隠せなかった。

 2年連続の無冠に終わり、ACL出場権にも届かない6位でのフィニッシュ。「チームとして戦っていないのが一番の問題。1年間、レッズにふさわしいサッカーができなかった。サポーターには申し訳ない気持ちでいっぱい。自分はレッズを愛しているし、その気持ちは変わらない」。浦和での事実上の“最終戦”を終えた闘莉王はどこか寂しげだった。

<写真>浦和DF闘莉王
(取材・文 西山紘平)

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