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【連載】2010Jリーグ新天地での挑戦(13)MFドゥトラ(京都)

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 ブラジル国内で「カカ2世」の呼び声高いMFドゥトラ(21)が国内外の激しい争奪戦の末、京都サンガF.C.に加入した。188cmの長身ながら、しなやかなボールタッチと独特のリズムから生まれるドリブル突破、トリッキーで意外性のあるプレーが特徴の21歳のアタッカーは入団会見で「ブラジル代表という夢を持っている」と野心を口にした。

 サントアンドレで順調にキャリアを積み重ねてきたドゥトラをめぐっては、サンパウロ、クルゼイロ、インテルナシオナルなどブラジルの名門クラブが獲得に動いていたと言われる。その中でブラジル期待の至宝が次のキャリアとして選んだのはJリーグ、京都だった。

 京都ではMFディエゴとの“ダブル司令塔”として期待がかかる。良くも悪くもディエゴへの依存度が高かった京都にとって、1.5列目にドゥトラとディエゴというブラジル人コンビが並ぶことで攻撃の幅も、威力も、飛躍的に増すのは間違いない。対戦相手からすれば、抑えなければならないポイントが2つに増えることにもなるのだ。

 過去3度のJ2降格を経験するなど一時は“エレベータークラブ”とも言われてきた京都だが、08年からはJ1に定着している。ここ2年(14位、12位)の残留争いから上位争いへとステップアップする次の段階として、ドゥトラの加入は最高の起爆剤になる可能性を秘めている。

 背番号9を任されたことに「ビックリしている」と語ったドゥトラだが、「点を取ることが求められる番号だと思う。チームの戦術を理解して点を取ることが期待されていると思うので、得点を取ってチームに貢献したい」と力強く語っていた。

 右足第5中足骨の疲労骨折が判明し、予期せぬ出遅れとなったが、シーズンを万全の状態で戦うため、手術に踏み切った。チャンスメイクからフィニッシュまで。チーム躍進のカギを握る新たな得点源の早期復帰が待たれている。

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※この連載では10年シーズンに新天地へ移籍した注目選手をJ1の18チームから1人ずつピックアップしていきます(新人選手は除く)

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