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[Jの新風(7)]MF田邉草民(FC東京)

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[6.13 ナビスコ杯 F東京3-1清水 駒沢]

 慣れ親しんだ「駒沢」のピッチで躍動した。國學院久我山高から今季FC東京に入団したMF田邉草民(19)が貴重な2点目のアシストを記録した。

 1-0の後半16分、右サイドでMF石川直宏からパスを受けると、鋭く縦に突破。ゴールライン際までえぐってDFを引き付けると、フリーで走り込んだ石川にマイナスのパスを送り、石川が鮮やかな切り返しから左足でゴールネットを揺らした。

 「ナオさん(石川)がフリーだったので、出しただけ。ナオさんが上手かった」と謙遜したが、左MFとして先発しながらも流動的に動いて相手を翻弄し、右MFの石川とポジションチェンジしながらチャンスをつくった。「プロはDFのレベルが高いし、高校のときみたいにひとりで全部持って行くことはできない。自然と周りを使いながらというようになってきている」。ドリブル一辺倒のプレースタイルからパスも覚え、献身的な守備も見せていた。

 リーグ戦ではまだ出場機会がないが、ナビスコ杯は4試合連続の先発。「きょうは大事な試合だったけど、今までの試合とそんなに変わりなく、気負わずにできたのがよかった」と言うように、徐々にプロのスピードやプレッシャーにも対応できるようになってきた。成長著しい19歳に城福浩監督も「慣れていく速度は速いと感じているし、驚いている」と高い評価を与えた。

 ベスト8まで勝ち進んだ1月の全国高校選手権では3回戦、準々決勝と駒沢でプレー。那覇西との3回戦では自らのハットトリックを含め7-1と大勝するなど思い出深い会場でもあった。「選手権とは全然違った。スタンドとかにもあんなにお客さんが入ってなかったし」。1万2538人の観衆の前でプロとしてプレーした75分間。さらに成長した田邉草民の姿を、駒沢のファンに見せてくれた。

<写真>F東京MF田邉
(取材・文 西山紘平)
※この連載企画では、ナビスコ杯のニューヒーロー賞候補選手の中で、各試合最も活躍した選手を取り上げていきます。

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