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日本代表ゴール競演、川崎F-神戸はツネ様オーバーヘッド弾でドロー

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[7.18 J1第18節 川崎F 2-2 神戸 等々力]

 J1は18日、第18節6試合を行い、川崎市の等々力競技場では4位の川崎フロンターレと16位・ヴィッセル神戸が対戦。川崎FのMF中村憲剛、神戸FW大久保嘉人の両日本代表がゴールを奪い合った一戦は、神戸が元日本代表DF宮本恒靖のオーバーヘッドシュートによる同点ゴールで追いつき、2-2で引き分けた。

 両チームの布陣はともに4-4-2。ホームの川崎FはGKが川島永嗣で4バックは右から久木野聡、菊地光将、伊藤宏樹、村上和弘。中盤の底の位置に横山知伸と谷口博之が入り、右MFが中村憲剛で左MFがレナチーニョ、2トップは鄭大世とジュニーニョが先発した。
 一方、神戸はボッティと宮本恒靖を中盤中央に配置。2トップは茂木弘人と大久保嘉人で右MFが朴康造、左MFが古賀誠史。4バックは右から石櫃洋祐、北本久仁衛、河本裕之、内山俊彦でGKは榎本達也だった。

 日本代表のゴール競演となった試合は引き分けに終わった。川崎Fは前線の4人と谷口が絡み、厳しいプレッシャーをかける神戸の守備を打開。10分には伊藤と中村のグラウンダーパス2本だけで決定機を作り出し、20分にはジュニーニョの左クロスを鄭が頭で合わせる。対する神戸は相手最終ラインの裏のスペースへ走り込む茂木へボッティ、大久保がスルーパスを配球する。ビッグチャンスにはならなかったが、パスの質と茂木の動き出しのタイミングもよく、相手守備陣に冷や汗をかかせた。

 試合を動かしたのは川崎Fの日本代表MF中村だった。25分、自陣でボールを奪うと中村が、左前方の鄭へパス。後退する相手最終ラインの隙を突いた鄭はドリブルシュートへと持ち込む。これはDFにブロックされたが、跳ね返りに反応した中村がダイレクトで右足を一閃。強烈なミドルシュートがゴール左隅へと突き刺さった。
 だが、日本代表のチームメイト、神戸FW大久保も黙っていなかった。34分だ。古賀の鋭い右FKからつかんだ右CKのチャンス。古賀の絶妙なキックにファーサイドから飛び込んだ大久保が、同点ゴールを叩き込む。
 今季アウェー戦未勝利の神戸が試合を振り出しに戻したが川崎Fは43分、中村の左CKをファーサイドの菊地が相手を上手くブロックしながらのヘディングシュート。これがゴール左隅に決まり、2-1とリードして前半を折り返した。

 その川崎Fは後半開始から鄭に代えてMF養父雄仁を投入。神戸も12分に朴に代えて吉田孝行をピッチへ送り出す。川崎Fがジュニーニョとレナチーニョの2トップ、神戸は大久保が右サイドへ開くなど互いに前線の配置を入れ替えた後半。試合の流れを引き寄せたのは神戸だった。
 前線でボールが収まらなくなった川崎Fに対し、神戸はセカンドボールを次々と拾い、攻撃を展開。ボッティや大久保を起点に茂木、石櫃がスピードに乗ったドリブルで仕掛けるなど押し込んでいく。そして24分、宮本が左サイドへはたくと古賀がクロス。PAへ入りこんだ宮本が胸トラップから鮮やかなオーバーヘッド弾をゴール左隅へ叩き込んだ。

 ホームで勝ち点を落とせない川崎Fはショートカウンターから中村やレナチーニョが決定的な場面を作り出す。だが、運動量が落ち、後半ロスタイムには菊地が2枚目の警告を受けて退場してしまう。48分には中村が直接FKを右足で狙うがクロスバーの上を越え試合終了。上位へ食らいつきたかった川崎F、和田昌裕監督就任後の初白星を狙った神戸は、勝ち点1を分け合った。

(取材・文 吉田太郎)

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