[8.30 J1第24節 川崎F1-1清水 等々力]

　清水エスパルスがまたしても勝てる試合を落とした。前半から試合のペースを握ったのは清水。運動量も多く、パスが小気味よく回ってサイドから分厚い攻撃を見せていた。GK川島永嗣の再三のスーパーセーブに阻まれ、なかなかゴールを割れずにいたが、後半32分、セットプレーの流れからDF市川大祐の右クロスにDF岩下敬輔が頭で叩き込み、先制点。勝ち点3は目の前にあったが、残り数分のところでスルリと手中からこぼれた。

　失点は後半ロスタイム。MF中村憲剛のFKをDF伊藤宏樹に合わされたものだが、FW岡崎慎司は自らのファウルで得点につながるFKを与えてしまったことを強く後悔していた。

　「自分は(ファウルは)ないと思ったけど、追いかける感じで手が出て、ファウルを取られた。最後は悔いが残った。ファウルとは思ってないけど、そこは反省したい。勝ち切るというのは、そういうところでファウルをしないことでもあると思うし」

　勝ち点3差で追う2位・川崎Fとの直接対決だった。勝てば勝ち点で並び、2点差以上での勝利なら2位に浮上する一戦。前日29日には首位の鹿島が敗れていた。ACL出場権確保はもちろん、逆転Vへも希望がつながる勝ち点3になるはずが、終わってみれば痛み分け。鹿島だけが喜ぶ結果になった。

　「勝ちに等しい試合での引き分けが多い。そこを勝ち切れるようにしないと」。岡崎はそう力説した。大事な試合での勝負弱さがなかなか解消されない清水。9月2、6日には岡崎が日本代表のオランダ遠征で不在の中、ナビスコ杯準決勝を控える。悲願のタイトルへ、このドローが尾を引かなければいいが…。

(取材・文　西山紘平)