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エースの意地、山形・長谷川が痛めた右足で値千金弾

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[9.26 J1第27節 千葉1-2山形 フクアリ]

 モンテディオ山形のFW長谷川悠が痛みをこらえ、チームを勝利に導く先制点を奪った。前半18分に相手選手と交錯し、右足首を捻挫。いったんピッチを離れると、その後も右足首を気にしながらのプレーを強いられた。

 それでも前半26分、MF宮沢克行のスルーパスに抜け出すと、痛めている右足で渾身のシュート。GKとの1対1を冷静に流し込む決定力で試合の主導権を握った。

 「すごいいいボールが来たので。何回か練習していた形だったし、イメージ通りのゴールを決められた。足は痛かったけど、良かった」

 これで今季10得点目。開幕前から目標にしていた2桁ゴールに到達し、「チームも苦しい状況だったし、自分のゴールでチームに勝利が欲しい試合だった。プレー内容は満足できないけど、点を取って貢献できたので、そこは良かった」とはにかんだ。

 1-1の同点に追い付かれた直後の後半28分には右サイドを崩し、FW古橋達弥のシュートの跳ね返りをMF北村知隆が押し込んだ。こぼれ球には長谷川も反応していたが、「来たーっと思った。自分の方が体勢も良かったし、遠慮すると2人とも蹴らなくなることもある。OKとも言わずに、ボールだけを見て蹴り込んだ」(北村)と強引に左足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。

 泥沼の4連敗で、降格圏まで勝ち点差1に迫っていた。北村は「それまでは安心できるラインにいたけど、徐々に降格ラインが迫ってきていた。残留を争っている千葉に勝てて、今後につながる大きな勝利だと思う」と胸を張る。

 柏が引き分けたため、降格圏までは勝ち点差3に開いた。残り7試合。次節10月3日は最下位・大分との対決で、10月24日には16位柏との直接対決も残している。気は抜けないが、自力で残留を勝ち取るチャンスがあるとも言える。長谷川は「これを機に連勝を重ねていければ。残留もそうだけど、上ともそんなに差はないし、上位に食らいついていくイメージで戦いたい」と、さらなる高みを見ていた。

(取材・文 西山紘平)

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