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PKを2回失敗しても…川崎Fが乱戦制し暫定首位浮上

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[10.17 J1第29節 大宮2-3川崎F 埼玉]

 J1第29節は17日、各地で7試合を行い、埼玉スタジアムでは大宮アルディージャ川崎フロンターレが対戦。両チーム合わせて4度のPKが与えられた乱戦は、川崎FがともにPKを失敗したFWジュニーニョ、FW鄭大世が名誉挽回のゴールを決めるなど3-2で競り勝った。3連勝で勝ち点を52に伸ばすと、鹿島が引き分けに終わったため、明日18日に試合のある清水もかわし、暫定首位に浮上した。

 大宮は4-4-2のシステムで、GK江角浩司、4バックは右から土岐田洸平、片岡洋介、マト、波戸康広。中盤は金澤慎と橋本早十のダブルボランチ、右に藤本主税、左にラファエルが入り、市川雅彦と石原直樹が2トップを組んだ。
 川崎Fも4-4-2で、GK川島永嗣、4バックは右から森勇介、菊地光将、伊藤宏樹、村上和弘と並んだ。横山知伸と谷口博之のダブルボランチ、右に中村憲剛、左にレナチーニョ。2トップは鄭大世とジュニーニョのベストメンバーを組んだ。

 試合は一進一退の激しい展開となったが、前半だけで3度のPKが与えられるなど飯田淳平主審の笛にも大きく左右された。

 前半14分には鄭がPA内で倒されたとして最初のPKが川崎Fに与えられたが、ジュニーニョのキックは左ポストを直撃。それでも前半21分、中村が右サイドのスペースに出したピンポイントパスにジュニーニョが抜け出すと、前に出てきたGKのポジショニングを見極め、角度のない位置から右足の鮮やかなループシュートを流し込んだ。

 PKのミスを帳消しにする先制ゴール。さらに前半36分、またも鄭がPA内で倒され、2度目のPKを獲得。今度は鄭が自らPKを蹴ったが、GK江角が素晴らしい反応を見せ、左手1本でセーブ。川崎Fは2度のPKをともに失敗してしまった。

 これで流れは大宮へ。川崎Fを押し込むと、前半ロスタイムに石原がPA内で谷口に倒されたとして、今度は大宮がPKを獲得。これをマトが落ち着いてゴール左へ叩き込み、同点に追いついた。

 このまま前半終了かと思われたが、PK失敗の男がまたも意地を見せる。前半終了間際、鄭が豪快なミドルシュートを叩き込み、川崎Fが再び勝ち越し。2-1として前半を折り返した。

 後半に入っても互いに攻め合う展開が続く。大宮は後半開始早々に石原が決定機を迎えるが、右足のシュートはGK川島がセーブ。後半8分には左サイドを突破したラファエルの横パスから橋本が左足で狙ったが、惜しくもゴールポストに弾かれた。

 同点のチャンスを逃した大宮に対し、川崎Fは鄭が試合を決定づけるゴールを奪う。後半19分、ジュニーニョの浮き球パスを受けると、マークに付いていたマトを弾き飛ばし、左足でシュート。これが右のサイドネットに突き刺さり、3-1とリードを広げた。

 大宮は後半25分、市川に代えてFW藤田祥史、藤本に代えてFWドゥドゥを投入。一気に2人を交代し、反撃を狙ったが、なかなかゴールをこじ開けられない。

 後半35分には波戸に代えてMFパク・ドンヒョクを左サイドバックに入れるなど猛攻を仕掛けた。そして後半44分、大宮にこの日2度目、両チーム合わせると4度目のPKが与えられ、マトが再び決めて2-3。同点を目指し、さらに攻め立てたが、あと一歩及ばず、川崎Fが3-2で逃げ切った。

(取材・文 西山紘平)

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