[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]

[6.28 JFAプリンスリーグ東北1部第8節 山形ユース 1-1 福島工高 福島]

　福島工高(福島)にとって、大黒柱であるFW青柳繁之(3年)への期待は大きい。しかし、「個に頼ってばかりではいけない。彼が組織の中でも生きないといけない」と本田監督も語ったように、青柳に頼りすぎてしまうのが、チームの課題であった。
　前半はまさにチームが彼の個人技に頼ってしまっていたからこそ、攻撃が単発に終わり、劣勢を強いられた。だが、後半はシステムチェンジにより、攻守の狙いどころがはっきりしたことで、チーム全体の動きが活性化。その中で青柳のプレーが大きなアクセントとなり、攻撃の迫力を増大させていた。まさしく組織が彼を生かしていた。負け試合の前半から、勝ち試合の後半へ。引き分けの裏にあるこの変化が、チームの大きな成長を証明している。

(取材・文　安藤隆人)