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[高校MOM115]東邦MF富田恭輔(2年)_高精度キックがチームのカギに

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[11.23 全国高校選手権愛知県大会準々決勝 東邦 3-0 熱田]

 東邦のMF富田恭輔は神谷拓也と共に、2年生ダブルボランチコンビを組む。彼の持ち味は精度の高いキックだ。
 最終ラインからじっくりと攻撃を構築していく東邦サッカーにおいて、富田と神谷の出来はチームの行く方を大きく左右する。まさにチームの核だ。DFラインでボールを回しているとき、富田は常に首を振って、相手に出来る一瞬の隙を待つ。隙ができた瞬間に、ボールを自らに呼び込んで、パスを受けると、自慢のキックで左右、裏へ展開していく。

 貴重な追加点となった39分のゴールシーンは圧巻だった。最終ラインでパス回しをするが、なかなか相手に隙ができず、ボランチやサイドハーフに当てても、前を向けずにバックパスが続いた。たまらずベンチの横井監督も、「何をやっているんだ!仕掛けろ!!」と大きな声を出した。その声に呼応するように、彼はスペースメークの動きを始める。中央から右サイドにすっと動くと、相手のワンボランチが少し右に寄る。その瞬間に出来た左サイドのスペースに西中が反応すると、富田はボールをCBから呼び込んで受けた瞬間、素早く反転して左サイドのスペースに走りこんだ西中へピンポイントのロングフィードを蹴りこんだ。

 この一連の動きの流れは見事の一言だった。富田のスーパープレーが追加点を呼び込んだのだった。「あの2点目は素晴らしかった。年1回のプレーだね(笑)」と横井監督も手放してほめるほど、素晴らしいプレーだった。年1回と言わず、2回、3回と見られるように。それはすべて彼の力に懸かっている。

(取材・文 安藤隆人)

特設:高校サッカー選手権2009

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