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[高校MOM116]前橋育英DF小山真司主将(3年)_完封発進も笑顔なし

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.28 全国高校選手権群馬県大会準決勝 前橋育英 1-0 前橋商]

「正直、プレッシャーがあった」。左腕にキャプテンマークを巻くDF小山真司(3年)は、試合後こう口にした。タイムアップの瞬間、彼を始め、イレブンたちの表情に笑顔は無かった。

 全国総体チャンピオン・前橋育英にとっては到底納得のいく勝利ではない。中盤でパスミスを連発し、守備面でも相手にスペースを与え、決定的なピンチを招いたのは1回では済まない。

 試合中、小山は大きな声を張り上げて、味方を鼓舞し続けた。しかし、それがなかなか伝わらない。コントロールミス、キックミス、そして攻守の切り替えが遅く、棒立ちの選手も居た。ただ、彼らはこの試合が予選の初戦であり、その舞台が準決勝で、相手はライバル・前橋商。これでリラックスして臨めというほうが無理だった。

 しかし、王者たるもの、そうは言っていられない。キャプテンである小山は責任を感じていた。「初戦だからこそ、もっとチームと自分を締めなければいけなかった」。もっと自分がチームをまとめる力があれば。彼は自責の念にかられた。だが、「次こそは」と気持ちはしっかりと前に向いていた。春先はBチームで、インターハイ前からAチームに昇格し、キャプテンマークを託され、チームを全国優勝に導いた努力家だからこそ、反省も力に変えていける。決勝の舞台では、より頼もしい小山真司の姿が見られるはずだ。

(取材・文 安藤隆人)

特設:高校サッカー選手権2009

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