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[高校MOM120]八千代GK永村達郎(3年)_勝負分けたPKセーブ

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.29 全国高校選手権千葉県大会準決勝 流通経済大柏 0-3 八千代 市原臨海]

 勝負の分岐点は後半16分にあった。八千代はPA内でのハンドによりPKを献上。だが、「こうなったら楽しんでポジティブにやるしかない」と振り返ったGK永村達郎(3年)が、流通経済大柏のエース・福井快の左足シュートを左へ跳んでキャッチする。

 コースがやや甘かったことも確か。だが、こぼれ球へ反応させることも許さなかったGKのこのプレーが、八千代の勝因となった。「(PKは)自分の感としか言いようがない。先に動かないでギリギリまで見て跳んだ」と振り返った守護神のビッグセーブで1点のリードを守ったチームは乗った。その後、カウンターから2発を加点し、難敵を突破。決勝進出を果たした。

 永村はGKとしては小柄な173cm。名門・八千代の中では7人いるGKの中で最も小さな守護神だ。砂金伸監督は「練習試合に行くと彼を見た相手校の監督から『控えGKではなく、レギュラーを出してくださいよ』と言われるんですけど(苦笑)。その度に『彼がレギュラーです』と説明するんですよ」と明かす。そして「一番小さいけど、一番安定している。みんなの元気のシンボルのような選手」と起用している理由、そしてその信頼について説明した。

 試合後、地元の小学生から「ナイスキーパー!」と声を掛けられたのに対し、「ありがとう」と手を振り返して周囲に笑顔をもたらしていた守護神。「だんだんよくなっている。次も頑張ります」と堂々と語ったGKが、決勝でもチームを最後方から支える。

(取材・文 吉田太郎)

特設:高校サッカー選手権2009

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