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2戦連発にも不満の前田、PKを本田に譲り「しょうがないです」

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[6.8 W杯アジア最終予選 日本6-0ヨルダン 埼玉]

 最終予選2戦連発ゴールにも笑顔はなかった。試合後のミックスゾーンに姿を見せた日本代表FW前田遼一(磐田)は「点を取れたことはよかったですけど……」と、憮然とした表情で言った。

 前半18分、MF本田圭佑の右CKにDFと競り合いながらヘディングシュートを狙う。ボールは左肩付近に当たり、クロスバーを叩いてゴールネットに吸い込まれた。FW岡崎慎司も「先制のタイミングが大きかった。(前田)遼一さんのゴールで楽になった」と振り返るとおり、チームメイト全員が感謝する値千金の先制点となった。

 それでも本人は不満げだ。「サイドから崩しているのに、中で僕自身が遅れている場面が結構あった。サイドからのボールに合わせて点を取るのが自分の持ち味だと思っているので、それができなかったことが悔しい」。90分フル出場で、シュートは先制点の1本だけ。6-0の圧勝劇を飾ったチームの1トップとして、このシュート本数で納得するわけにはいかなかった。

 後半7分にはPA内左で仕掛けると、MFバニアテヤに倒され、PKを獲得した。前田もペナルティースポットに向かったが、一目散にボールを取りに行ったMF本田圭佑がキッカーを努めた。前田のもとに駆け寄り、ポンと肩を叩いたキャプテンのMF長谷部誠は「前田さんが蹴りたいのかなと思って、『前田さん、蹴れば?』と聞いた。でも圭佑が蹴る気満々だったので…。前田さん優しい性格ですし……」と言う。ハットトリックの懸かっていた本田にキッカーを譲った前田。「まあ、蹴りたかったですけど。しょうがないです」。消化不良に終わったこの日の悔しさは、12日のオーストラリア戦(ブリスベン)にぶつける。

(取材・文 西山紘平)

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