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サイド攻撃に自信を見せる岡崎「もっと右に来てほしい」

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[6.8 W杯アジア最終予選 日本6-0ヨルダン 埼玉]

 日本の武器と言えば、左サイドが真っ先に思い浮かぶ。それも無理はないだろう。左SHにはブンデスリーガで、日本人シーズン最多となる13得点を叩き出したMF香川真司(ドルトムント)がおり、その後方にはDF長友佑都(インテル)がいるのだ。世界的に名を知られたビッグクラブでプレーする彼らが縄張りとする左サイドは、対戦相手からも真っ先に警戒される。

 だが、左サイドを相手に警戒されても、日本の攻撃は止まらない。象徴的な場面が、前半終了間際にあった。40分、中央のMF本田圭佑からPA付近にいたMF岡崎慎司にパスが出る。このときにタイミング良くDF内田篤人がオーバーラップを仕掛けた。岡崎の右足から放たれたシュートはゴール左に外れて行ったが、内田にパスが出ても決定的な場面がつくれていたはずだ。その5分後にはMF長谷部誠のパスをPA内に走り込んだ内田が受けて、シュートを放っている。こちらもゴールマウスを捉えることはできなかったが、右サイドからも決定的な場面がつくれることを強烈に示した。

 岡崎は右SBの内田との連係の手応えを口にする。「ウッチー(内田)がギリギリまで相手SBを見てくれるので。オレが(相手SBの)裏を取れたらウッチーが(パスを)出してくれるし、相手が引いてフリーになったときも(パスを)もらえる。どちらの状況でもオレはフリーでボールをもらえるから、(ボールを)もらってからはやりやすい。そこから(本田)圭佑を使ったり、ウッチーとのコンビネーションで崩したりということができる」と自身のプレーを生かしてくれる内田に感謝し、胸を張った。

「イメージの共有はチームとしてできている。むしろ、もっと右に来てほしいと思えるし、右からどんどん崩してっていうパターンは、左よりも増えてきていると思う。そこは交互にやれた方がいいと思うし、まずは左を意識しながら、右に来ても攻められるようになっている。それはいいことだと思います」

 左サイドに多少の対抗心を見せながらも、岡崎は納得の表情を浮かべていた。両翼が機能する日本代表は、高く、遠くへ飛べるはずだ。日本がヨルダンを6-0で一蹴した約2時間半後、オマーンとオーストラリアの試合は0-0の引き分けに終わり、日本はブラジルに一気に近づいた。

(取材・文 河合 拓)

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