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日本vsヨルダン 試合後のアルベルト・ザッケローニ監督会見要旨

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[6.8 W杯アジア最終予選 日本6-0ヨルダン 埼玉]

 日本代表は8日、W杯アジア最終予選第2戦でヨルダン代表と対戦し、FW前田遼一の2戦連続ゴールで先制すると、MF本田圭佑がプロ初のハットトリックを達成するなど6-0で大勝した。日本は翌9日朝にオーストラリアへ出発。12日には敵地で第3戦のオーストラリア戦(ブリスベン)に臨む。

以下、試合後の日本代表・アルベルト・ザッケローニ監督会見要旨
アルベルト・ザッケローニ監督
「きょうの対戦相手はアジアカップで戦った相手で、よく特長を知っていて、フィジカルが強くてあきらめない気持ちの強いチームだと思いました。きょうの試合の最後の方でも、勝敗は決まっていたと思いますが、その中でも折れない気持ちで臨んできたことはやはりすごいなと思いました。そういった相手との対戦だったので、チームにはできるだけワイドに広がってスペースをついて行こうと言いましたが、前半のところは見事にやってくれたと思っています。あと、選手たちも良く集中して試合に入ってくれていて、後半立ち上がりの10分間以外のところは上手く試合に入って集中していてくれたと思う。きょう、ピッチに立った全員がいいパフォーマンスを見せてくれたと思います」

―後半の立ち上がり10分間以外は集中していたとおっしゃていたが、集中力を欠いたのはどのような点が原因か
「きょうのように前半点差のついた形で折り返した試合では、ああいうことは起こりうると思っている。少しテンションが落ちるというか、集中していなかった訳ではなかったが、警告をもらわないようにしよう、怪我しないようにしようということが頭をよぎることもあるので、こういう(集中力を欠くような)ことは起こりうる。きょうの結果だけ見ると、簡単なゲームと思われるかもしれないが、全然簡単なゲームではなかった。その中で選手たちが簡単とは言わないが、簡単なゲームに近づけたことが素晴らしかったと思います。ヨルダンは非常に戦ってくるチームですし、ヨルダンのことは非常にリスペクトしています」

―外からの攻撃が効果的だったから中央からの攻撃が活きたと言うことができるのではないか?
「こうして戦ってくる相手にはワイドに相手の間隔を広げないといけないと言えると思う。だが、それだけではダメでボールサイドに人数をかけられるか、人数を絡められるかが大切だと思うが、きょう我々はピッチ全体で、局面で数的優位をつくり続けることができたのではないかと思います」

―オーストラリア戦へ向けた課題は
「オーストラリア戦へ向けた情報は持っているけれども、まだそこへ頭を切り替えられていないし、きょうの試合に頭が残ってしまっている状態です。しかし、チームが現在やっているようなサッカーを見せてくれて、この2試合で出してくれたような高いリズムで、高い精度でやってくれた場合はどことやっても渡り合えるだろうと思います」

―日本はこれまで最終予選2試合目に勝ったことがない。きょう勝ったのはたまたまかもしれないが、ザッケローニ監督は個人的にジンクスと思っていることはありますか。
「ゼロ。(元を)担ぐタイプではありません。(過去の最終予選とは)やっている時期も、対戦相手も違うことですので一概に言うことはできないと思います。我々が2試合いいからと言って3試合目もいい訳ではない。しかし、我々が目指すサッカーをやりながら結果も内容も伴ったことで、そういう意味で3試合目もいい形で臨めるのではないかと思います。現在、我々が行っているスタイルというのは、現在代表にいる選手たちの特長を最大限活かせるような、能力を発揮できるような、選手がベースにあって形がある」

―吉田選手の怪我に関して現状についてと、それに伴って伊野波選手のテストなどした理由は
「吉田選手が負傷したことで栗原選手がその代わりに入った訳ですけれども現時点で吉田選手のはっきりとした状況は分かっていないので、ドクターに確認しようと思っている。伊野波選手をピッチへ送り込んだのはその意図もありますし、今野選手がイエローカードを一枚もらっている状況でもあるのでそこを予防しようとも考えた」

―遠藤選手は右サイドの高い位置でプレーしていたようだが、流れの中なのか、それともプラン通りなのか?
「スタートポジションというのは最初は決まっているが、相手に的を絞らせないように本田選手、長谷部選手、遠藤選手の三角形が自由に動くようなやり方はやっています。また相手のマークを外すために長谷部と遠藤がクロスすることもあります」

―前田選手と岡崎選手のコンビネーションが良くなっていると思うがどう考えられているか?
「そこのコンビネーションも上がっていると思うが、右から、左から、時には真ん中からと様々な局面でいいコンビネーションが出ていたと思うし、それが相手に的を絞らせなかったと思います」

―本田選手が下がった後に監督とコーチがコーチングボックスで話していたように映ったが、何を話していたのか?
「スタッフと次の交代のカードをどう切るのか相談していた。100パーセントのコンディションではない選手もいたのでどうしようか話し合っていました。あと、ドクターにも意見を聞きました」

―本田選手が下がってから香川選手が中でプレーする場面が多くて、中村選手と中央でポジションが重なってしまっていた。逆に外へ開く選手がいなかったがどう思うか。またサイドに清武選手などを起用してサイドの選手を確保するという考え方もあると思うが?
「香川選手はドルトムントでもトップ下、真ん中をやっているので、そのポジション、中に入ってくることには慣れています。中にこないといけないタイミングもワイドにいかなければならないタイミングもありますが、香川選手はそのタイミングを把握しています。また、交代の意図は中盤のバランスをあまり崩したくなかった。中村選手がバイタルに顔を出すようなプレーをしてくれることを想像していて、実際にいいプレーをしてくれたと思う。(交代カードの)チョイスというものはたくさん持っていたけれども、その中で一番バランスのいいものをということでチョイスしました。(交代については)試合はほぼ決まっていたので、バランスを一番に考えました」

―きょう本田選手が3得点。彼の活躍について、あと、6点ありましたが、どのゴールが一番お気に召しましたか?
「まずは6点のシーンをちょっと把握していません。本田選手に関しては、代表チームを10か月も放っておいたということで取り返して欲しいと思っています。これだけでは足りないので満足しないで、もっとゴールを決めてほしいと思っています」

―オマーン戦の前には昼食時に緊張している選手がいたと話していたが、きょうは?
「きょうの試合前、ランチタイムの時間などは非常に集中しているように感じました。緊張しすぎていない状態だと感じました。ただ、試合前にいつも通り全体ミーティングをして、念のため集中を呼びかけた。試合へのアプローチはいい入り方ができたと思うし、非常に集中していたと思っている。そこのコミュニケーションがスムーズにいった。試合の入りからアグレッシブに行ってくれと言っていたが、それが見事に伝わったと思う。通常、早い時間帯で2-0というスコアになると手綱を緩めるような傾向にあるが、そうでなくて、きょうこのチームはリズムを変えずに前へ、前へ進んでくれた。これはいつもチームにお願いしていることだが、どんなタイミングでも0-0のつもりでやってほしいということはこのチームにはお願いしている」


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