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[MOM605]流通経済大柏MF桜井将司(3年)_国体全国制覇の大型MFがデビュー戦で存在感

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.16 全国高校総体千葉県予選決勝T1回戦 流通経済大柏2-0千葉明徳 流通経済大柏G]

「ウズウズして待っていた」注目MFが待ちに待った公式戦デビュー戦でチームの勝利に貢献した。流通経済大柏のMF桜井将司(3年)は昨年の山口国体少年男子優勝メンバー。千葉県選抜のCBとして起用された桜井は185cmの長身を活かした対人の強さで相手の攻撃をシャットアウトし、全国制覇の喜びを味わった。

 流経大柏では昨年公式戦に絡むことができなかったが新チームでは当初CB、その後本職のボランチでレギュラー候補となった。だが今年3月に右足の剥離骨折により離脱。ただ、Cチームとして出場したトップチームとの試合で、高速プレスの中でも落ち着いて周囲を活かすプレーを見せたMFは、実力でトップチームに復帰する。

 それでも負傷によって全国リーグのプレミアリーグイーストの登録メンバーから外れていた桜井は、チームがJユース勢を連破する中、出場機会を得ることができずに快進撃を悔しい思いで見つめるしかなかった。「悔しい気持ちがあったけれどチームのために応援して、次は絶対にメンバーに入ってピッチでプレーしようと思って練習していた。きょう、こういう結果に終われて良かった」

 念願のデビュー戦となった全国総体予選初戦はダブルボランチの一角として先発。中盤で強さを発揮して相手の攻撃を跳ね返すと、後半はそのキープ力と展開力を活かして攻撃を活性化した。そして後半半ばから前線に入ると、正確なボール捌きとアイディアある崩しでチームに決定機と追加点をもたらす。

 1-0の後半32分、前線からのプレッシャーで相手のクリアを連続でチャージ。そして左中間で前を向くと、左に寄っていた相手の逆を突くラストパスを中央のMF秋山陽介(2年)へ通してダメ押しゴールをアシストした。「前半はあまりボールが触れなくてゲームの流れもあまり良くなかった。後半は流れを変えようと思って、サイドチェンジとか結構できたし、途中から入ったFWではワンタッチプレーを意識して周りとの連係も取れたと思う」と納得の表情を見せていた。

 スピード、アジリティに課題を残すが「ボランチからのロングキックやスルーパスが得意。ディフェンスでは競り合いではあまり負けない。きょうも勝てていたと思う」という特長を持つ大型MFは、名門の新たな柱となるか。負傷で出遅れたものの「気にしていない。今からチームに貢献していければいい」と誓う桜井が総体日本一への力となる。

(取材・文 吉田太郎)
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