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[MOM607]桐光学園FW市森康平(3年)_元ラガーマンのストライカーが決勝ヘッド

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.17 全国高校総体神奈川県予選準々決勝 向上1-3桐光学園 等々力]
 
 元ラガーマンのストライカーが決勝ヘッドを叩き込んだ。1-1の後半22分だ。桐光学園はSB関根陸(3年)の右クロスを中央のFW市森康平(3年)が打点の高いヘディングシュートでゴール右隅へと叩き込む。「前半全然ダメで。チームのための1点と思う。とにかくボールが頭に来れば、チャンスはあると思っていた。打つだけだった」と市森。なかなか勝ち越すことのできなかったチームに待望の2点目をもたらした。

 泥臭くゴールへ迫るアグレッシブさと前線からの強烈なプレスも魅力。そして前線で見せる力強いポストプレーはJユース相手でも通用している。プレッシャーがあっても高い確率でボールをおさめられるだけに、攻撃力の高い桐光学園の前線の中でも貴重な存在だ。技術面については厳しい佐熊裕和監督も「おさめるだけだっただら(Jユース相手でも)できると思います」と評価。昨年1年間、徹底して取り組んできた体幹トレーニングも効果を発揮しているが、当たり負けしない強さは他にも理由があった。

 茅ヶ崎一中でプレーしていた中学時代、市森は同時に地元の茅ヶ崎ラグビースクールでラグビーをしていた。ポジションはバックスのセンターやウイング。1、2年時はサッカーとラグビーの試合が重なった場合はラグビーを優先していたという。タックルを掻い潜りながら突進していたラグビーで養った足腰と当たりの強さ、そしてスピードはサッカーでも強力な武器となっている。

「自分の良さは泥臭さだと思う」。チームのために身体を張る作業は誰にも負けない。まだ視野が狭く、技術もこれからだが「どん欲にゴールを目指していく。向上心を持って、上を目指してやっていきたい」。元ラガーマンのストライカーはサッカーで“てっぺん”を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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