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シャビ・アロンソの2発でスペインがフランスを撃破、2大会連続の4強へ

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[6.23 EURO準々決勝 スペイン2-0フランス ドネツク]

 EURO2012(欧州選手権)は23日、準々決勝の3日目を行い、史上初の連覇を狙うスペインがフランスに2-0で快勝し、2大会連続の4強入りを決めた。前半19分、MFシャビ・アロンソの今大会初ゴールで先制すると、後半ロスタイムにもシャビ・アロンソがPKでダメを押した。優勝した00年大会以来、3大会ぶりの準決勝進出を目指したフランスは零封負けを喫し、ベスト8で姿を消した。スペインは27日の準決勝でポルトガルと対戦する。

 スペインはFWフェルナンド・トーレスに代わってMFセスクが3試合ぶりに先発。1-1で引き分けたグループリーグ第1戦のイタリア戦と同じメンバーで、セスクが最前線に位置する“ゼロトップ”システムを採用した。

 DFメクセスが出場停止のフランスは0-2で敗れたグループリーグ最終戦のスウェーデン戦から先発4人を変更。メクセスに代わるCBではDFコシールニーが今大会初先発となった。システムは4-2-3-1を継続したが、これまで右SBを務めてきたDFドビュシが中盤の右サイドに入り、右SBには今大会初先発のDFラバレールが入る守備的な布陣。MFナスリが今大会初めてベンチスタートとなり、トップ下ではMFマルダが3試合ぶりに先発した。

 ドビュシとラバレールという右SB2人を起用したフランスは守備時にはドビュシも最終ラインにまで下がり、5バック気味になる。ドビュシがDFジョルディ・アルバ、ラバレールがMFイニエスタをケアし、スペインの左サイドを警戒したが、そんなフランスの対策をあざ笑うようにスペインが先制点を奪った。

 前半19分、左サイドで仕掛けたイニエスタが背後をオーバーラップしてきたジョルディ・アルバに絶妙なスルーパス。ドビュシは必死に追いすがるが、体勢を崩してピッチに倒れる。その横をすり抜けたジョルディ・アルバのマイナスのクロスにファーサイドから飛び込んだシャビ・アロンソがフリーでヘディングシュート。下に叩き付けてゴールネットを揺らし、フランスの“左サイド包囲網”を難なく打ち破った。

 先制点で勢い付くスペインは前半20分にMFシャビ、同29分にイニエスタがシュートを狙う。圧倒的なボールポゼッションで次々とチャンスをつくり出した。一方、いきなりゲームプランを崩されたフランスは攻め手なく、沈黙。前半32分、負傷明けで2試合ぶりに先発復帰したMFキャバイエが直接FKを狙うが、ゴールの枠を捉えたシュートもGKカシージャスに弾かれた。

 1点ビハインドで前半を折り返したフランスは何とか反撃を狙う。後半8分にはFWベンゼマのスルーパスにMFリベリが抜け出しかけたが、DFセルヒオ・ラモスが落ち着いて対応した。同15分、左サイドで粘ったリベリのクロスからドビュシがヘディングシュート。ようやく流れの中から決定的なチャンスをつくったが、シュートはゴール上に外れた。

 フランスは後半20分、ドビュシとマルダを下げ、MFメネスとナスリを投入する。対するスペインも同20分にMFダビド・シルバに代えてFWペドロ、同22分にはセスクに代えてフェルナンド・トーレスをピッチに送った。互いに選手を入れ替え、フランスは同点ゴール、スペインは試合を決める2点目を狙った。

 スペインは後半24分、左サイドを抜け出したペドロの折り返しにF・トーレスが走り込むが、目前でコシールニーがスライディングでカット。フランスも同26分、リベリがMFブスケツのミスを突いて左サイドを突破したが、クロスはGKカシージャスが体を張って抑えた。

 試合は1点差のままこう着した展開が続き、フランスは後半34分、MFエムビラに代えてFWジルを投入し、3枚目のカードを切る。攻撃の枚数を増やし、最後の反撃を仕掛けるが、スペインの守備陣も集中を切らさなかった。逆に後半45分、スペインはPA内で仕掛けたペドロがラベレールに倒され、PKを獲得。これをシャビ・アロンソが落ち着いてゴール左へ蹴り込み、2-0と試合を決定づけた。そのまま試合終了を迎え、これで3試合連続の完封勝利。EURO史上初の連覇、さらにはEURO、W杯、EUROという前人未到の“3連覇”へ、また一歩前進した。


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