beacon

[C☆voice67]福岡大DF牟田雄祐「このチームを日本一にすることが自分の仕事」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 大学サッカー界の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「College star voice」。第67回は福岡大の11年U-22日本代表DF牟田雄祐主将(4年=筑陽学園高)です。

 J数クラブが争奪戦を繰り広げている大学ナンバー1CB。187cmの長身を活かした圧倒的な高さと強さ、そしてリーダーシップで九州の雄を引っ張るDFの現在の課題と目標とは?(取材日:7月8日)

―総理大臣杯は完封発進
「初戦ということで全国大会を初めて経験する選手もいたり、難しい状況だったですけど、全国大会までしっかりと準備する時間もあって、練習もできましたし、いい雰囲気でここまでできている。硬さはありましたけれど、問題なくできたと思います」

―ロングボールをことごとく跳ね返していた
「そこは絶対に自分は負けちゃいけないところですし、自信を持っている。ただ、それ以外のところでまだまだ自分に足りないところがある。でも全てを求めてもしょうがないので、今はまず自分のできる力をしっかりと出せるかというところが課題だと思います」

―相手にロングボールを蹴らせて、自分たちの流れに引き込んでいた
「自分と大武(峻)のCBはヘディングが強いですし、こちらは高さにアドバンテージがあることは分かっている。自分たちの良さを出しつつ、相手の良さを消すという戦い方だった。上手くそこはできたかなと思います」

―終盤は余力も残しているような戦いぶりだった
「自分たちが力を小出しして勝てる相手はどこにもないですし、相手もしっかりと地区予選を勝ちあがってきたチーム。力もある。相手をリスペクトしながら自分たちの力を出し切ることが大事だと思っています」

―日本一になるチャンスはあと2回。総理大臣杯はどのような大会にしたい?
「1年生の時に総理大臣杯で優勝して、あの時は無我夢中でやっていただけなんですけど、今は何ができるのか頭の中で整理することだったり、4年生でキャプテンと立場も違うんですけど、ここでしっかりと日本一を経験することで後輩にもいい伝統をつなげますし、それが福岡大学のためになる。雰囲気もそうですし、次にいい伝統をつなげていければと思います。日本一の応援もついていますし、日本一の監督もいますし、しっかり練習もやれたんでそこは今自信を持ってやれています」

―キャプテンになって頼もしさも増した印象
「今できること、できないことは頭の中で整理できているつもり。まだまだですけど。いい時は何も言わなくていいと思う。苦しい時こそ、しっかりと自分の声、技術面で引っ張っていければと思います」

―プレーヤーとしても注目の集まる1年
「たくさんの方に注目だったりされていますけれど、それはそれ。まずはチームでの戦い。個人のパフォーマンスは大事ですけど、個人のことは置いておいて、自分のやることをしっかりと出したいと思います。まずはこのチームを日本一にすることが自分の仕事だと思う。そこにしっかりと照準を合わせている」

―大学選抜、U-22代表候補で経験を積んだ
「ユニバ、オリンピックには行けなかったですけれど、今は本当に自信を持ってやれている。心にも余裕がある。それが過信にならないように。周りに何を言われようと注目されようが自分はひたむきにやるだけ。特に周りの声は気にしないです」

―自分自身について、頭の中で整理されている。何かきっかけがあった?
「春先にJリーグのキャンプに参加させてもらった中で、自分のできたこと、できなかったことが本当にはっきりした。CBでやる以上、周りを動かさないといけないですし、そこは相手がプロだろうが関係ない。ピッチの中で自分が監督でやるつもりくらいの気持ちでやっている。何がきっかけかは分からないですけど、今は自信を持ってやれているし、それがプレーにも良く出てくればいい。強みのひとつになればいい。ただ自分はまだまだだし、(タイトルなど)得たものは何もないので謙虚に向かっていきたい」

―今年はチームも全国優勝できる戦力が整った
「チームがまとまれば攻撃にはいい選手がたくさんいると思いますし、清武はJ1で経験してきている。(攻撃陣は)乗っているときはやってくれる。だから苦しい時に自分が何をできるか。前線が思い切って攻めてくれる分、自分は後ろでしっかりと守りたいと思う。今は、個人それぞれが役割、タスクが分かっているから結果が出ている。決勝まで簡単にはいかないと思いますけれど、苦しいときに自分がチームの中心としてやっていきたいと思います」

―筑陽学園の後輩でもある大武選手とのコンビについては?
「お互いにいい面も悪い面も知っているので、大武が思い切ってやっている分、自分がしっかりとカバーしたり。お互いが刺激しあって成長していける関係が一番いいと思います。大武だけじゃなく、自分が今この立場で後輩に私生活の面でもサッカーの面でも伝えられることは伝えたいと思っていますし、自分が見本となれるような普段の生活態度であったり、練習態度であったり、そういうのは心がけている。それが上手く伝わっていればいいですけど・・・(苦笑)」

―今年1年間の個人、チームとしての目標を
「チームとしては自分が1年のときに日本一を経験している。その経験を後輩に伝えるためにも日本一になること。言葉で示すよりも結果で伝えられればいい。個人としては、しっかりといい準備をして。Jに行くことが目標じゃない。試合に出ること、スタメンを獲ることが目標なので、1年目から試合に出るための準備を自分の中でやっています。個人とチームとの両立は難しいですけど、チームの中で自分のできることだったりをしっかりやることに集中している。特に自分の中で迷いはないです」

―最後に福岡大で学んだことは
「いろいろあり過ぎて・・・。心も身体も大きくなったと思う。心の余裕、自信。落ち着いて試合を迎えられているのが現状なので、充実していると思います」

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設ページ】第36回総理大臣杯
連載:「College star voice」

TOP