beacon

なでしこは18試合ぶりの無得点で“五輪前哨戦”に敗れる

このエントリーをはてなブックマークに追加


[7.19 国際親善試合(女子) 日本0-2フランス パリ]

 ロンドン五輪に出場する日本女子代表(なでしこジャパン)は19日、フランス・パリでフランス女子代表と国際親善試合を行い、0-2で敗れた。FIFAランキング3位の日本と同6位のフランスによる五輪前最後の強化試合。前半24分に先制点を許すと、後半29分にもセットプレーから失点し、0-2の零封負けを喫した。なでしこの無得点試合は、昨年7月5日の女子W杯グループリーグ最終戦・イングランド戦(0-2)以来、18試合ぶり。五輪本大会に向け、不安を残す前哨戦となった。チームは明日20日に英国入り。25日のグループリーグ初戦・カナダ戦に向け、コベントリーで最終調整する。

 日本は11日に東京・国立競技場で行ったオーストラリアとの壮行試合(3-0)から先発一人を変更し、FW安藤梢に代わってFW大野忍が先発した。大野は中盤の右サイドに入り、MF宮間あやが左MFで先発。オーストラリア戦は左サイドハーフだったMF川澄奈穂美が前線に入り、国際Aマッチ4戦連発中のFW大儀見優季(旧姓・永里)と2トップを組んだ。
[スタメン&布陣はコチラ]

 男女合わせて初めて赤色の五輪用セカンドユニフォームを着用して臨んだ一戦。五輪本大会で日本がF組1位、フランスがG組2位(G組にはアメリカも入っている)でグループリーグを通過すれば、準々決勝で対決する可能性もある“前哨戦”は立ち上がりからホームのフランスに押し込まれる展開となった。

 前半6分、DF鮫島彩のバックパスを奪われ、MFトミが決定的なシュートを放つが、ゴール上へ。同9分には左サイドを突破したMFティネのマイナスの折り返しに合わせたMFネシブのシュートがクロスバーを直撃した。同12分にもPA内からFWデリに際どいシュートを許す日本。これはわずかにゴールの枠を外れたが、前半24分、悪い流れのまま先制点を奪われた。

 フランスは左サイドでボールを持ったDFボンパストールがアーリークロス。最終ラインの背後を取ったデリがPA内に抜け出し、右足で先制のゴールネットを揺らした。日本は直後の前半25分、大野が右後方から上げたクロスボールに大儀見が反応し、ようやくフィニッシュまで持ち込むが、シュートは至近距離でGKの好セーブに防がれた。

 徐々に落ち着きを見せ始める日本はボール支配率を高めながら反撃をうかがう。しかし、なかなか崩し切れずに攻めあぐねる時間が続いた。前半43分、細かいパス回しから大野がPA手前でドリブルを仕掛け、絶好の位置でFKを獲得。宮間が直接狙うと、GKが弾いたボールにMF澤穂希が詰めたが、右足のシュートは左ポストを直撃した。同44分の大儀見のシュートもGKのセーブに遭い、前半は0-1で折り返した。

 1点ビハインドの日本は後半開始からGK福元美穂に代えてGK海堀あゆみを投入。五輪本大会でどちらに正GKを任せるか、佐々木則夫監督による最終テストとなった。しかし、その後も試合の流れは変わらず、なでしこらしいパス回しからの崩しがなかなか見られない。後半22分、川澄に代えて故障から復帰したFW岩渕真奈をピッチに送り込んだ。

 昨年7月17日の女子W杯決勝・アメリカ戦以来、約1年ぶりの代表戦となった岩渕は前線で大儀見と2トップを組む。後半28分には大野に代わってFW安藤梢もピッチに入り、右サイドハーフに位置した。ところが、その交代の直後だった。後半29分、フランスはMFビュサグリアの左CKからDFルナールが打点の高いヘディングシュート。豪快にゴールネットを揺らし、2-0とリードを広げた。

 後半、シュートらしいシュートもない日本。後半38分には大儀見が遠めから右足でロングシュートを狙うが、味方の安藤に当たってしまう。結局、最後まで決定機をつくれず、五輪前ラストゲームで0-2の零封負け。昨年7月5日の女子W杯・イングランド戦(0-2)以来、380日ぶりの無得点に終わり、決戦の地・英国へ入ることとなった。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ロンドン五輪特集ページ
澤、宮間ら先発 なでしこがフランスと五輪前最後の強化試合
敗戦にも前向きな佐々木監督「そんなにガッカリはしていない」
澤が315日ぶりのフル出場、「自信につながった」
史上初の5戦連発ならず、大儀見「攻撃にリズムを付けないと」
1年ぶり代表戦も…岩渕「足の長さを感じてるだけで終わった」
監督会見
選手コメント
【写真特集】なでしこは18試合ぶりの無得点で“五輪前哨戦”に敗れる

TOP