beacon

先発7人変更のなでしこはリスク冒さずスコアレスドロー、2位で準々決勝へ

このエントリーをはてなブックマークに追加


[7.31 ロンドン五輪F組 日本0-0南アフリカ カーディフ]

 日本女子代表(なでしこジャパン)は31日、ロンドン五輪グループリーグ第3戦で南アフリカ女子代表と対戦した。ここまで1勝1分ですでにグループリーグ突破が決まっている日本と、連敗で敗退が決まっている南アフリカ。先発7人を入れ替えた日本は攻撃でもリスクを冒さず、0-0のスコアレスドローで試合を終えた。この結果、F組を2位で通過した日本は8月3日の準々決勝でE組2位のブラジルと対戦する。

 日本は28日のスウェーデン戦(0-0)から先発7人を変更し、GK海堀あゆみ、DF矢野喬子、MF田中明日菜、FW安藤梢、FW丸山桂里奈、FW高瀬愛実、FW岩渕真奈が今大会初先発。MF宮間あや、DF近賀ゆかり、DF岩清水梓、DF熊谷紗希の4人は3試合連続先発となった。これで登録18選手が全員先発したことになり、ボランチは宮間と田中のコンビで、右サイドに高瀬、左サイドに岩渕。2トップは安藤と丸山が組んだ。
[スタメン&布陣はコチラ]

 すでにグループリーグ突破が決まっているF組2位の日本は引き分けなら他会場の結果に関係なく2位通過が決まるが、勝てば首位・スウェーデンの結果次第で首位通過の可能性もある状況で、この試合を迎えた。首位通過の場合、準々決勝の相手は直前の親善試合で0-2の完敗を喫したフランスが濃厚ということもあり、無理をして勝ちに行く必要もない特殊な状況下にいた。

 先発7人を入れ替え、両SBやボランチもリスクを冒した攻撃参加を控えるなど、試合は静かな展開を見せる。控え組としてはアピールもしたいが、前半2分の丸山の左足ミドルは力なくGKがキャッチ。同12分には高瀬、丸山とつないで安藤が右足でシュートを打ったが、これもGKが抑えた。

 攻撃時は4バックの南アフリカだが、守備になると右SBが中に絞り、5バック気味の守備的布陣を敷く。DFファン・ビークをスイーパー的に余らせ、日本の攻撃に対応した。南アフリカはFWモディセが前半21分、23分と立て続けにミドルシュートを狙うが、いずれも枠外。日本は同37分、左SBの矢野が右足でロングシュートを放ったが、GKがキャッチするなど、互いに決定機らしい決定機もなく、前半をスコアレスで折り返した。

 前半終了時点でスウェーデン対カナダはスウェーデンが2-1でリードしていたが、後半も試合のペースは変わらない。日本の攻撃陣4人は動きも少なく、攻撃に工夫がなかった。後半13分、岩渕に代えてMF川澄奈穂美を投入。すると徐々に日本の攻めに動きが出てくる。

 後半19分には宮間が初めてと言っていい攻撃参加で、前線にまで顔を出す。同20分、左サイドのスローインを受けた丸山が個人技でゴールライン際を突破。マイナスの折り返しに安藤が合わせた。初めての決定機だったが、シュートはDFの足に当たり、ゴールラインを割る。同21分には宮間の左CKを高瀬が頭で折り返し、こぼれ球を田中がヘディングで狙ったが、ゴール上に外れた。

 日本は後半21分、2人目の選手交代を行い、宮間に代わってMF阪口夢穂がピッチに入った。このまま0-0でもいいというベンチの意図か。後半37分の右CKのチャンスでは岩清水や熊谷もゴール前に上がらず、PA内に日本の選手は3人しか入っていなかった。

 その後、カナダがスウェーデンに追いつき、2-2となる。もし日本が1点取って勝つと、首位通過が決まる。ピッチ上の選手にも情報が伝わったか、最終ラインでボールを回す時間が増え始めた。後半ロスタイムには丸山に代えてFW大儀見優季(旧姓・永里)を投入して時間を使い、試合はそのまま0-0で終了。“狙いどおり”のスコアレスドローで日本は2位通過となった。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ロンドン五輪特集ページ
GL突破決定のなでしこは南アフリカ戦で先発7人変更
なでしこの準々決勝の相手はブラジルに決定、ベスト8出そろう
引き分けを指示した佐々木監督、「選手につらい思いをさせた」
控え組をかばう佐々木監督、「選手は動揺した」
一瞬張り詰めた記者会見…なでしこ佐々木監督の真意
選手も監督を支持、丸山「金メダルを取るために必要」
左SBで堅実なプレー、矢野「失点しないと決めていた」
試合後の佐々木監督会見要旨
試合後の選手コメント
【写真特集】なでしこはリスク冒さずスコアレスドロー、2位で準々決勝へ

TOP