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攻撃的姿勢を貫いたF東京が2-0で仙台に勝利し、4強進出!!

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[8.8 ナ杯準々決勝第2戦 F東京2-0仙台 味スタ]
※2試合合計4-2でF東京が勝利

 試合前「守りに入らないことが大切」とポポヴィッチ|ランコ・ポポヴィッチ監督は語っていた。その言葉通り、第1戦を敵地で2-2と引き分けていたFC東京は、ベガルタ仙台をホームに迎えた第2戦でも攻撃的に試合を進める。後半36分にはMF石川直宏が得点を挙げて、ホームゲームでリードした。その後も仙台に反撃を許さず、後半ロスタイムには途中出場のFW渡邉千真が追加点を挙げて、2-0で勝利。2試合合計スコアを4-2としたF東京が、4強進出を決めた。

 決勝点を挙げた石川は「前回の対戦でも裏への抜け出しが効果的だったので、足元でつなぐところ、裏でつなぐところの意思疎通がうまくできたと思います。良い形で狙い通りの形ができました。夏休みなのでスカッとした試合をしたかったし、不甲斐ない戦いはできないので。僕らはタイトルを狙っていますし、(ナビスコ杯は)2度優勝していますが、一度はケガをしているので、もう一度決勝で喜びたい。みなさんとタイトルを獲りたいと思っています。次に勝たないとファイナルに行けないので、また次も勝ちたいと思います」と、語った。

 F東京は、4日の浦和戦(2-2)から3選手を入れ替えてこの一戦に臨んだ。加賀健一が務めていた右SBに中村北斗が入り、ルーカスの入った左SHにはMF谷澤達也が起用された。そして、FW{{エジミウソン|エジミウソン(FC東京)}が加入後、初めてスタメンに名を連ねている。一方の仙台も4日前の横浜FM戦から3人を入れ替えた。最終ラインに負傷で戦列を離れていたDF上本大海が復帰、左SBにはDF朴柱成が入っている。また、中盤の左サイドにはMF関口訓充が起用された。

 敵地での第1戦で2ゴールを挙げているF東京は、立ち上がりから果敢に前に出た。3分には最初のチャンスをつくる。左からのサイドチェンジを受けたMF石川直宏がPA内に丁寧なパスを入れる。これを受けたエジミウソンがゴールを狙ったが、シュートはDFにブロックされた。同7分には約30mの距離でFKを得ると、右SBでスタメン出場した中村が、直接ゴールを狙う。しかし、これもGK林卓人に弾かれて、得点にはならなかった。

 対する仙台も、鋭い攻撃を見せる。前半14分にはFWウィルソンがPA内でチャンスを迎えたが、シュートは右に外れて行った。その1分後、今度はF東京が谷澤のドリブルからチャンスをつかむ。PA内で谷澤からのパスを受けた石川がシュートを打つも、ボールをゴールマウスに飛ばすことはできなかった。

 前半27分には仙台が決定機をつくる。一度ゴール前でクリアーしたボールを左サイドでMF梁勇基が回収する。フリーの状態から中央へクロスを入れると、ノーマークのMF太田吉彰にピタリと合う。しかし、太田のヘッドはクロスバーを越えてしまい、仙台も先制点を挙げることはできない。

 F東京も30分、左サイドのDF椋原健太がクロスを入れると、PA内逆サイドで受けた石川が、右足を振り抜く。しかし、強烈なボレーシュートは、左ポストに嫌われた。35分にもF東京は左サイドで田邉がボールをキープし、中央を経由し右サイドに展開。最後は中村が左足でシュートを狙ったが、GK林に防がれる。

39分には仙台にアクシデントが起きる。DF田村直也が負傷し、DF内山俊彦が右SBに入った。不慮の交代を強いられたが、動じない仙台は44分、関口のダイレクトパスからFW赤嶺真吾に良いボールが出たが、DF森重真人に体を入れられて、フィニッシュに持ち込めなかった。結局、前半は0-0のまま終了した。

後半の立ち上がりもF東京がチャンスを得る。田邉のパスから谷澤がGKと1対1になるが、シュートは林にキャッチされて決定機をモノにできなかった。序盤のピンチを凌いだ仙台も、徐々にボールを前に運び出すが、フィニッシュに持ち込めない時間が続く。

 後半15分、F東京は田邉を下げてMF梶山陽平を起用する。19分には左から右にサイドを変えながら攻めたF東京、MF長谷川アーリアジャスールがシュートを打ったが、ボールは右に外れて行った。同20分には谷澤の独特なドリブルからCKを得ると、石川の入れたボールにエジミウソンが合わせる。しかし、これはゴール前のDFに当たり、得点はできなかった。その後も攻めるF東京は、しっかりとボールを回しながら機をうかがう。

 攻め手のなかった仙台は、30分にウィルソンを下げ、MF奥埜博亮を投入する。その直後にはF東京も谷澤を下げ、FWルーカスをピッチに送り出した。このままでは敗退となる仙台は34分、PA内で仕掛けた太田がシュートを打ったが、森重にブロックされた。

 そして36分、攻め続けたF東京が先制点を挙げる。中盤からのループパスを最終ラインの背後で受けた石川が、GK林より一瞬早くボールに触る。浮いたボールはゴールネットを揺らし、F東京が準決勝進出へさらに有利な状況をつくった。

 後半39分には両チームともに最後のカードを切る。F東京はエジミウソンを下げ、渡邉を投入、仙台も朴柱成を下げてFW中原貴之をピッチに送り出した。そして迎えた後半ロスタイム、前掛かりになった仙台に対し、集中した守備を見せたF東京は、速攻から渡邉が最終ラインを突破する。渡邉はGK林をドリブルでかわし、無人のゴールにシュートを流し込み、勝利を決定づけた。F東京が、優勝した09年以来となる4強進出を決めている。

(取材・文 河合拓)

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