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千葉が初のJ2降格…執念及ばず15試合勝利なし

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[11.8 J1第31節 川崎F3-2千葉 等々力]

 J1第31節は8日、各地で9試合を行い、等々力陸上競技場では川崎フロンターレジェフユナイテッド千葉が対戦した。勝利以外の場合はその時点でJ2降格が決定する千葉は前半35分にMF工藤浩平のゴールで先制したが、後半10、25分とFWレナチーニョにゴールを許す。後半43分にDF和田拓三のゴールで同点に追いついたが、後半45分にまたしてもレナチーニョに決められ、2-3で敗戦。3試合を残して、クラブ史上初となる2部降格が決まった。

 川崎FはDF森勇介がクラブ内の処分で出場停止。代役の右サイドバックにはDF井川祐輔が入った。それ以外は3日のナビスコ杯決勝と同じメンバー。システムは4-4-2で、GK川島永嗣、4バックは右から井川、菊地光将、伊藤宏樹、村上和弘。中盤は横山知伸と谷口博之のダブルボランチ、右にレナチーニョ、左に中村憲剛が入り、鄭大世とジュニーニョが2トップを組んだ。
 千葉はFW新居辰基が出場停止のため、前線は巻誠一郎と谷澤達也の2トップ。システムは4-4-2で、GK岡本昌弘、4バックは右から和田拓三、福元洋平、ボスナー、坂本將貴。中盤は中後雅喜と下村東美がダブルボランチを組み、右に工藤浩平、左に深井正樹が入った。

 川崎Fは前半4分、いきなり決定機をつくる。工藤のミスを奪ってショートカウンターを仕掛けると、鄭のスルーパスに村上が抜け出し、左足でシュート。オフサイドの判定だったが、さっそく千葉ゴールを脅かした。

 前半19分にもジュニーニョの左クロスに合わせた鄭のヘディングシュートがクロスバーを直撃。先制のチャンスを生かせずにいると、徐々に千葉の守備陣も対応し始めた。

 中盤で厳しくプレスをかけ、川崎Fのサイド攻撃を封じる。苦し紛れのロングボールもボスナーが粘り強く跳ね返し、徐々にペースをつかんでいった。

 前半31分には中盤でボールを奪い、和田のロングボールから深井がシュート。千葉にとってこの試合最初の決定機はGKの正面を突いたが、同35分、先制に成功する。

 自陣からGKがFKを蹴ると、こぼれ球を拾った深井が左クロス。巻のヘディングがクロスバーに当たったが、跳ね返りを工藤が押し込んだ。

 前半42分にも千葉に決定機が訪れた。左サイドを谷澤が突破し、ゴール前に折り返すと、逆サイドから走り込んだ工藤がフィニッシュ。しかし、これはゴール右に外してしまい、前半は1-0で折り返した。

 川崎Fは後半立ち上がりから攻勢を強める。後半3分、レナチーニョが右サイドで粘り、ゴール前に折り返すと、こぼれ球をジュニーニョがシュート。しかし、ここは福元がゴールライン上でクリアした。

 後半4分にも中村の左FKから谷口がヘディングシュートを狙ったが、下村が顔面でブロック。千葉もなんとかしのいでいたが、後半9分、PA内でボスナーが中村を倒したとしてPKを献上。川崎Fの圧力に耐え切れなかった。

 川崎Fはレナチーニョが落ち着いてPKを決め、1-1の同点に追いつく。スタジアムのボルテージも上がり、一気に勢い付いた。

 千葉は後半15分、中後に代えてFWネット・バイアーノを投入。谷澤が右MF、工藤がボランチに下がり、前線はネットと巻のツインタワーに変化した。

 しかし、中盤でプレスのかからなくなった千葉の守勢は変わらない。川崎Fは後半25分、レナチーニョが右サイドからPA内に進入し、そのままシュート。これが坂本の体に当たって、軌道が変わり、ゴールマウスに吸い込まれた。

 1-2と逆転された千葉は直後に谷澤を下げ、MF米倉恒貴をピッチに送り込む。さらに後半39分には深井に代えてMF太田圭輔を投入し、最後のカードを切った。

 J1残留へ望みをつなげるためには1点では足りない。2点取って逆転するしかない千葉は必死にゴールを狙った。後半43分にはゴール前の混戦から和田が押し込み、2-2の同点に追いつく。さらに逆転を目指したが、前がかりになった背後を突かれ、後半45分に致命的な勝ち越し点を許してしまった。

 左サイドを抜け出したジュニーニョの折り返しに合わせたのはまたもレナチーニョ。ハットトリック達成で、川崎Fが執念で勝ち点3をもぎ取り、首位の座を守った。

<写真>試合後にサポーターに頭を下げる千葉選手達
(取材・文 西山紘平)

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