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[天皇杯]木村がプロ初ゴール!川崎Fが4回戦進出

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[11.11 天皇杯3回戦 川崎F 3-1 富山 等々力]

 第89回天皇杯全日本サッカー選手権大会は11日、未消化だった3回戦2試合を行い、現在J1で首位の川崎フロンターレは川崎市の等々力陸上競技場でJ2・13位のカターレ富山と対戦。MF木村祐志のプロ初ゴールの活躍などにより、3-1で勝った。川崎Fは15日の4回戦(日産ス)で横浜FMと戦う。

 日本代表GK川島永嗣と右足内転筋肉離れのMF中村憲剛らが不在の川崎Fは4-3-3システム。GKは杉山力裕で4バックは右から井川祐輔、寺田周平、伊藤宏樹、村上和弘。中盤は田坂祐介と横山知伸をダブルボランチにトップ下が木村。3トップは右からレナチーニョ、鄭大世、黒津勝が並んだ。

 一方の富山はGKが中川雄二で4バックは右から西野誠、濱野勇気、金明輝、中田洋平。中盤の底の位置に野嶋良と長山一也が入り、右MFが木本敬介で左MFが川崎健太郎。2トップは石田英之と永冨裕也が務めた。

 激しい雨の中で始まった試合だったが展開には影響なく序盤から“格上”川崎Fペース。相手CBと対峙する鄭が力強いポストプレーなど完全に主導権を握り、レナチーニョや木村、田坂のラストパスから川崎Fは次々と相手ゴールへ迫った。
 22分に木村の右FKのこぼれ球を鄭が決定的な右足シュート。さらに23分には田坂が右サイドの黒津へ展開すると、最後は中央の木村からのスルーパスに走りこんだレナチーニョがGKと1対1となるが決められない。

 それでも相手にシュートチャンスを与えない川崎Fは29分、鄭と木村が左サイドで粘ってボールをキープすると、最後は木村の左クロスを受けた黒津がトラップでDFをかわして左足シュートをねじ込んだ。

 先制した勢いで一気に試合を自らへ傾けようとする川崎Fは直後の33分、くさびに入った鄭がダイレクトでスペースへ送ったパスで抜け出した木村が右足を振りぬく。だが、このシュートがクロスバーを叩くと、38分に右クロスのこぼれ球に反応した村上の決定的な左足シュートも富山DF陣にクリアされてしまう。

 試合を決めきれない川崎Fには落とし穴が待っていた。前半終了間際、相手の猛攻に対して、しぶとく守った富山が一瞬の隙を突いて試合を振り出しに戻した。41分、前線でボールをキープすると後方から飛び出してきた野嶋の右足シュートがゴールポストをかすめる。そして、前半ロスタイムだ。右サイドPAやや外でボールを受けた川崎が、GKの頭上を射抜く左足のコントロールショットを決めて同点。圧倒的に攻めていた川崎Fは1-1で前半を折り返した。

 後半、川崎Fはボールこそゴール前まで運ぶものの、レナチーニョのシュートがGKの正面を突くなど相手を突き放すことができない。逆に勇気づいた富山はカウンターから何度も敵陣へ進入していった。
 それでも、試合を制したのは自力に勝る川崎Fだった。後半25分、黒津が右サイドから強引にドリブルで仕掛けると、こぼれ球に反応した木村が公式戦初ゴールとなる鮮やかなループシュート。川崎Fは、プロ4年目のMFのゴールでついに勝ち越した。

 富山は30分にセットプレーからPA中央にこぼれたボールに反応した木本が右足を振りぬくが、これをDFが身体を張って止めた川崎は33分に途中出場のFW矢島卓郎がPA内に立ち塞がるDFをかわして左足で追加点。2点のリードを得た川崎Fはこの後、MF谷口博之をピッチへ送り出して守りを固め、そのまま3-1で勝ち4回戦へ進出した。

(取材・文 吉田太郎)

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