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[高校MOM108]野洲FW松田康佑(3年)_観衆酔わせたハイレベルな技術

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.14 全国高校選手権滋賀県大会決勝 守山 1-4 野洲 皇子山]

 滋賀県予選の5試合全てで得点し、通算10ゴール。「“ちょっと足らず”の選手だったけど、徐々に信頼できる選手に成長した」と山本佳司監督からも評価される松田康佑(3年)が、この決勝でも1ゴール1アシストと結果を出し、野洲を全国へと導いた。

 山本監督が考える決勝のキーマンは、この松田だった。マンマークで対応してくる守山対策として、指揮官は準決勝までFWで出場していた松田を左サイドで起用。そして「サイドに起点を作って、松田のサイドから崩したい」という狙いが、見事に的中した。松田は抜群のキープ力で左サイドにタメを作ると、そこから細かいタッチのドリブルや深く鋭い切り返しから次々にPAへと侵入し、好機を演出。前半26分には1年生MF布施俊樹の先制点をアシストしてみせた。

 この日の前半、松田の持ち場となった左サイドのピッチには試合当日まで降った雨の影響で水たまりができていたのだが、そんなことは彼にとって関係なかった。逆に、悪条件であることがより彼の技術レベルの高さを際立たせることとなり、観衆は彼のテクニカルなプレーに酔うばかりとなった。
 今夏まで、松田はテンポ良くボールを配球するボランチとして、ゲームを作る選手だった。しかし、9月に入ってから、「得点を獲りたい」と山本監督が攻撃センスのある松田をFWにコンバート。そこで、それまで潜んでいた点取り屋としての能力が引き出された。「もっと獲れる機会はあったから課題はあるけど、全国でも毎試合点を獲りたい」。ゲームメーカーやチャンスメーカーに加え、ストライカーという3つ目の役割を修得しつつある野洲の背番号11は、選手権本番でも必ずやその輝きを見せてくれるだろう。

(取材・文 永田淳)

特設:高校サッカー選手権2009
滋賀県大会特集
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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