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南アの守備崩せず…岡田ジャパンは攻め手なくスコアレスドロー

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[11.14 国際親善試合 南アフリカ0-0日本 ポートエリザベス]

 日本代表は14日、南アフリカ南部のポートエリザベスで同国代表と国際親善試合を行い、0-0で引き分けた。来年のW杯本大会の会場でもある4万6000人収容のネルソン・マンデラ・ベイ競技場はほぼ満員。南アフリカの民族楽器のブブセラが鳴り響く完全アウェーの状況で、日本は最後まで決め手を欠き、スコアレスドローに終わった。

 日本は3ボランチ気味の4-5-1の新システムで臨んだ。GK川島永嗣、4バックは右から内田篤人、中澤佑二、田中マルクス闘莉王、駒野友一。中盤は稲本潤一がアンカー気味に位置し、その前に遠藤保仁と長谷部誠。右サイドに本田圭佑、左サイドに大久保嘉人が入り、前線は岡崎慎司の1トップだった。

 立ち上がりは日本がボール支配率で上回り、優勢に試合を運んだ。前半11分には遠藤の横パスを受けた長谷部が右足で強烈なミドルシュート。これは惜しくもGKの好セーブに阻まれた。

 前半16分には後方からのフィードを大久保がスペースに落とし、走り込んだ岡崎が左足で狙ったが、わずかにゴール右にそれた。直後には本田が高い位置でボールを奪い、PA内に進入したが、DFにつぶされ、主審はノーファウルの判定だった。

 序盤はリズムも出ていたが、徐々に南アフリカ守備陣も日本のパス回しに対応し始めた。厳しいプレッシャーに攻めあぐねる日本はなかなかシュートまで持ち込めなくなった。

 岡崎と大久保がポジションを入れ替えるなど中盤の選手も流動的に動いて打開を図るが、南アフリカの守備組織を崩すことができない。見せ場も少ないまま、前半を0-0で終えた。

 後半に入っても拮抗した展開が続いた。日本は後半のスタートから岡崎と大久保の2トップに変更。左サイドに遠藤が出る4-4-2にシステムを変えたが、なかなかリズムをつかめない。

 後半14分には本田に代えてMF中村俊輔、稲本に代えてMF松井大輔を投入。遠藤と長谷部のダブルボランチ、右に中村、左に松井が入った。

 後半18分、闘莉王のパスを受けた大久保がミドルシュートを打つが、ゴール上へ大きく外れる。ようやく生まれた後半最初のシュートも決定機には程遠く、両チームともフィニッシュが少ないこう着状態が続いた。

 後半26分には再び2人を同時に交代する。大久保と内田を下げ、FW興梠慎三とDF徳永悠平を投入。同30分、中村の右CKに中澤が頭で合わせた場面もシュートはゴール上に外れ、得意のセットプレーも生かせなかった。

 南アフリカはカウンターを狙うだけで、日本の守備陣にピンチらしいピンチはなかったが、攻撃も空転。南アフリカの組織の網にかかり、チャンスの回数もシュート数もあまりに少なかった。

 後半34分には徳永のオーバーラップからアーリークロスを岡崎がPA内で受け、反転から右足でシュート。流れの中でPA内から打った数少ないシュートだったが、ここもGKの好セーブに阻まれた。

 結局、最後まで攻め手を欠いた岡田ジャパン。相手がしっかり守備組織を整えてくれば、まったく崩す力がないことを露呈し、W杯本大会のシミュレーションという意味以外では収穫の乏しい一戦となった。

<写真>日本は決め手を欠き、0-0のスコアレスドローに終わった

(文 西山紘平)

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