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内田→興梠で優勝弾!鹿島が史上初3連覇達成!!

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[12.5 J1第34節 浦和0-1鹿島 埼玉]

 史上初の3連覇だ!!J1第34節は5日、各地で9試合を行い、埼玉スタジアムでは浦和レッズ鹿島アントラーズが対戦。勝てば3連覇の決まる鹿島は後半21分にFW興梠慎三が先制点を奪うと、そのまま1-0で逃げ切った。この結果、鹿島の優勝が決定。Jリーグ史上初、前人未到の3連覇達成となった。

 浦和は4-2-3-1のシステムで、GK山岸範宏、4バックは右から山田暢久、坪井慶介、田中マルクス闘莉王、平川忠亮と並んだ。中盤は阿部勇樹と鈴木啓太のダブルボランチ、右に田中達也、トップ下に山田直輝、左に原口元気が入り、エジミウソンが1トップを務めた。
 鹿島は4-4-2で、GK曽ヶ端準、4バックは右から内田篤人、岩政大樹、伊野波雅彦、新井場徹。中盤は中田浩二と小笠原満男がダブルボランチを組み、右に本山雅志、左に野沢拓也。2トップは興梠慎三とマルキーニョスだった。

 試合の主導権を握ったのは浦和だった。中盤が流動的に動いてパスを回し、鹿島守備陣をかき回す。全体の運動量も豊富で、ボールキープ率では浦和が上回っていた。前半2分には山田直の右CKのこぼれ球を田中達がシュート。同5分のFKのチャンスには闘莉王が右足で直接狙ったが、GK曽ヶ端に弾かれた。

 鹿島は中盤で劣勢を強いられ、シンプルな早い攻撃が増えた。前半10分には小笠原のFKをニアでそらし、中田のボレーシュートがゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定だった。

 試合前から降り始めた雨の影響か、足を滑らせる選手も多く、濡れたピッチコンディションが互いのミスを誘った。浦和もパスは回るが、最後の崩しの部分でミスが多く、決定機をつくるまでには至らない。拮抗した試合展開が続いた。

 鹿島は前半40分、坪井からボールを奪ったマルキーニョスが横に流し、野沢が右足で狙ったが、GK山岸が好セーブ。同42分、小笠原の左CKをニアでそらした興梠のヘディングは惜しくもポストに弾かれた。前半、両チームを通して数少ない決定機だったが、運も悪く、前半は0-0で折り返した。

 前半終了時点で、川崎Fは柏に3-0とリードを奪っていた。このままでは川崎Fに逆転優勝されてしまう。なんとしても点を取って、勝ち点3を手にしなければならない状況となった。

 後半最初のチャンスをつかんだのも浦和。後半8分、田中達のスルーパスにエジミウソンが右サイドを抜け出すと、長い距離のドリブルからシュート。しかし、これもGK曽ヶ端がなんとか抑えた。

 後半14分には鹿島に絶好機が訪れた。マルキーニョスからの大きなサイドチェンジを受けた野沢が右クロス。左右に揺さぶってPA内でフリーの小笠原にボールが渡ったが、小笠原がGKとの1対1で決め切れず、チャンスを逃してしまった。

 嫌な雰囲気がピッチ上を流れ、徐々に焦りも募る。そんな試合展開を変えたのは若き日本代表コンビだった。後半21分、右サイドでパスを受けた内田がピンポイントのアーリークロス。これに興梠が頭から飛び込み、豪快なダイビングヘッドをゴールネットに突き刺した。1-0。3連覇へ大きく前進する一発に、ゴール裏の一角を占拠した鹿島サポーターも沸きに沸いた。

 浦和は直後の後半22分、山田直に代えてMFポンテ、同25分には原口に代えてFW高原直泰を投入。目の前で優勝を決めさせたくない浦和も反撃に出た。後半31分にはPA内で高原が倒されたが、ノーファウルの判定。同36分には途中出場のFWエスクデロ・セルヒオの右クロスに闘莉王が合わせるも、ヘディングシュートはGK正面だった。

 鹿島は後半41分、興梠に代えてMF青木剛、同44分には野沢に代えてFW田代有三を投入。闘莉王が前線に残っていることもあり、空中戦に強い選手を入れるとともに中盤の枚数を増やして逃げ切りに入った。

 終盤は浦和が一方的に攻め立てた。後半ロスタイムにはゴール前でフリーのエスクデロにボールが渡ったが、シュートは鹿島守備陣がブロック。なんとか体を張ってしのぎ切り、試合はそのまま1-0で終了。気迫と執念で勝利をつかみ取り、3連覇の偉業を成し遂げた。

(取材・文 西山紘平)

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