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[天皇杯]仙台が川崎Fを下して初の4強。平瀬が決勝ヘッド!

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[12.12 天皇杯準々決勝 仙台2-1(延長)川崎F ユアスタ]

 天皇杯準々決勝は12日、各地で1日目3試合が行われ、ユアテックスタジアム仙台ではベガルタ仙台川崎フロンターレが対戦。1-1で延長戦に突入し、迎えた延長後半3分、仙台のFW平瀬智行が決勝ヘッド。2-1で川崎Fを下して初めて4強入りした。

 J2制覇を成し遂げた仙台が、その勢いそのままにJ1の2位・川崎Fを下した。1-1で迎えた延長戦後半3分、左サイドでMF関口がドリブルで中をうかがい、右足でクロス。中で待っていた平瀬が頭であわせて勝ち越しヘッド弾。あとはチーム全員で守りきった。

 仙台は大宮、F東京に続くJ1勢3連勝。来季からJ1に昇格するため“前哨戦”として気合いが入っていた。ここまで天皇杯を含めれば最近の公式戦15試合負けなし(12勝3分)だったが、好調のチーム通り、さらに一つ伸ばした。

 試合は序盤からホームの仙台がやや有利に進めた。前線から激しくチェックに行き、ボールを奪ったら梁勇基関口訓充の攻撃的MFにボールを集めた。

 対する川崎Fはシステムはいつもの4-4-2だが、FWジュニーニョが左腓腹筋肉離れで離脱し、代役にFW黒津勝が先発。日本代表MF中村憲剛はボランチに入り、攻撃的MFはレナチーニョ田坂祐介が入った。

 川崎Fはジュニーニョ不在が響き、ゴール前での仕掛けに迫力がない。レナチーニョが個人技で攻め込むがゴールネットは揺らせなかった。

 仙台が速い攻撃で主導権を握る時間が増える中、前半35分、待望の先制点を奪う。FW中島裕希がPA左でパスを受けると、右足でグラウンダーのシュート。GK川島が反応するも触れず、ゴール右隅に突き刺さった。

 先制点で気をよくしたのか、仙台の動きがいっそうハードになった。川崎Fはプレスに苦しむ。ゴール前までは運べるが、バイタルエリアではJ2最少失点の守備陣が立ちはだかった。前半は仙台が1-0で折り返した。

 後半、いきなり川崎Fが絶好機をつかんだ。開始20秒、右サイドからのグラウンダーのパスに、FWレナチーニョが右足でシュートを放つが、GK林の正面を突き、チャンスを逃した。

 川崎Fは中村憲剛、谷口博之のミドルシュートに活路を見いだそうとする。後半11分、谷口がPA中央付近からミドルシュートを放ち、選手に当たって方向が少し変わり、GKの逆を突いたが、林が何とか反応し、ゴールは奪えなかった。

 対する仙台は後半19分、DF菅井直樹がパスカットからドリブルで突進し、2選手を交わしてシュートを放つが、日本代表GK川島永嗣が好セーブを見せて防いだ。

 その後、仙台が運動量を活かした守備とサイド攻撃、川崎Fがカウンターという図式で一進一退の攻防が続いた。川崎Fの敗戦ムードが流れていた後半44分、元仙台のDF村上和弘が魅せた。右サイドからクロスからのこぼれ球に反応し、左足を一閃。ボレーシュートをネットに突き刺し1-1の同点とした。

 試合は延長戦に突入。ともに攻撃を仕掛けるが、疲労からか、なかなか決定機でシュートが枠に飛ばない。延長も後半に突入し、川崎Fは途中出場のヴィトール・ジュニオールが個人技で打開しようとするが、簡単にはいかない。迎えた同後半3分、仙台が関口のクロスから平瀬がヘディング弾を決めて2-1とした。

 その後、川崎Fが猛攻を仕掛けるが、ゴールを奪えず。同後半ロスタイムには、ゴール前でFKを得たが、中村憲剛ではなく、途中出場のMF木村祐志が蹴るが壁に当たり、万事休す。仙台が強豪・川崎Fを下して4強い入りを決めた。

 川崎Fは4冠の可能性があったシーズンだったが、結局はリーグ2位、ナビスコ杯準優勝、ACL8強、天皇杯8強に終わった。

(文 近藤安弘)

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