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[天皇杯]山崎の2発でG大阪が鹿島を下し4強進出

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[12.12 天皇杯準々決勝 鹿島1-2G大阪 カシマ]

 天皇杯準々決勝は12日、各地で3試合を行い、カシマスタジアムでは鹿島アントラーズガンバ大阪が対戦。G大阪は前半29分、FW山崎雅人が先制点を決めると、前半ロスタイムにFW田代有三のゴールで同点に追いつかれたが、後半24分に再び山崎が勝ち越しゴールを奪い、2-1で競り勝った。G大阪は29日の準決勝(国立)で仙台と対戦する。

 鹿島はブラジルへ帰国したFWマルキーニョスに代わってFW田代有三が先発した以外は、3連覇を決めた5日のJリーグ最終節・浦和戦(1-0)と同じメンバー。GK曽ヶ端準、4バックは右から内田篤人、岩政大樹、伊野波雅彦、新井場徹と並んだ。中盤は中田浩二と小笠原満男のダブルボランチ、右に野沢拓也、左に本山雅志。2トップは興梠慎三と田代だった。
 G大阪は当初、先発メンバーに入っていたFWチョ・ジェジンが急きょ欠場し、MF二川孝広が先発した。GK藤ヶ谷陽介、4バックは右から加地亮、中澤聡太、山口智、高木和道。中盤は明神智和と遠藤保仁のダブルボランチで、右サイドに橋本英郎が先発復帰し、左に二川が入った。前線はルーカスと山崎雅人の組み合わせだった。

 G大阪は中盤でパスがよく回り、ボールポゼッションを高めて鹿島を押し込んだ。前半3分には遠藤が左サイドの高木に展開。高木のクロスをルーカスが落とし、橋本がゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定。1分後にも遠藤のスルーパスが二川に通ったが、シュートはGK曽ヶ端の好セーブに阻まれた。

 G大阪のパス回しに翻弄される鹿島はボールを奪ってからの速攻でチャンスをうかがう。前半6分には左サイドのスローインから興梠が相手の隙を突いて一気にPA内に進入したが、シュートはゴールの枠を外れた。

 G大阪はボランチの遠藤がパスを散らし、両サイドを使った幅のある攻撃を仕掛けた。鹿島守備陣がサイドに開くと、バイタルエリアに空いたスペースに遠藤から効果的な縦パスも入り、鹿島を揺さぶる。前半23分にも遠藤のパスを受けた二川が左クロス。橋本が左足ボレーで合わせたが、惜しくもGK正面だった。

 そして前半29分、G大阪がついに均衡を破る。遠藤のFKに山崎が頭で合わせると、正面に飛んできたボールに曽ヶ端が反応し切れず、キャッチミス。そのままゴールマウスに吸い込まれ、G大阪が先制した。

 鹿島はパスがかみ合わないシーンも目立ち、なかなかチャンスをつくれずにいたが、前半39分に野沢のミドルシュートがポストに弾かれるなど徐々にリズムをつかむ。すると、前半ロスタイム、興梠のスルーパスに抜け出した田代が独走。GKと1対1になると、最初のシュートはポストに当たったが、跳ね返りをもう一度押し込み、鹿島が土壇場で同点に追いつき、前半を1-1で折り返した。

 後半は一進一退の攻防となった。互いに相手ゴール前まで攻め込む場面はつくったが、なかなか決定機には至らない。前半同様、G大阪がパスをつないでポゼッションを握っていたが、鹿島の鋭い速攻にも脅威があった。

 勝ち越し点が生まれたのは後半24分。我慢強くパスを回し、鹿島守備陣が崩れるのを待ったG大阪の粘り勝ちだった。二川のスルーパスに橋本が右サイドを抜け出し、ゴール前に折り返すと、内田がまさかのクリアミス。ゴール前の山崎にボールが渡り、落ち着いて押し込んだ。

 鹿島は直後に本山に代えてMF遠藤康、後半37分には内田に代えてMF増田誓志を投入。同点ゴールを目指し、攻撃の圧力を強めたが、G大阪守備陣も体を張って跳ね返す。後半40分には岩政が怒涛のオーバーラップで右サイドを突破したが、ゴールには結びつかない。

 後半43分には新井場に代えてFW佐々木竜太をピッチに送り込み、前線を3トップにして猛攻を仕掛けたが、ロスタイムの野沢のミドルシュートもGK藤ヶ谷が好セーブ。直後のCKの場面ではGK曽ヶ端もゴール前に上がったが、G大阪守備陣が最後まで耐え抜き、2-1で逃げ切った。

<写真>G大阪FW山崎(30番)とDF中澤(2番)
(取材・文 西山紘平)

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