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[大学MOM45]福岡大DF宮路洋輔主将(4年)_ゼロを守った好漢

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[大学マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.20 第58回全日本大学選手権1回戦 立命館大 0-1 福岡大 NACK]

 来季アビスパ福岡入りするDFリーダーが、絶体絶命のピンチを救った。後半23分に途中出場のFW高橋祐太郎(4年)が挙げたゴールにより、リードを奪った福岡大。だが、2点目を奪えないまま迎えた後半39分、カウンターから立命館大に決定的な場面をつくられてしまう。抜け出した相手アタッカーのシュートはGK河田晃兵(4年)が反応よくストップしたが、こぼれ球が運悪く相手FW玉林郷(4年)の足元へ。玉林は瞬時に無人のゴールへシュートを放ったが、白いユニフォームの背番号5が体を投げ出してブロック。ボールは遠く弾き出された。

 「ここで負けたくなかった。あそこはもう気持ちでクリアするだけでした」とDF宮路洋輔主将(4年=鵬翔高)。乾真寛監督も「最後まであきらめずにボールを追ってくれた」と讃えた主将の好守が相手の同点機を阻んだ。

 チーム全体が過緊張気味だったこの日のゲーム。トーナメント戦特有の「負ければ終わり」のプレッシャーにチーム全体の動きはよくなかった。その中でポジショニングよく相手のクロスを跳ね返し、DFリーダーとして声でチームを統率しているように映った宮路自身も「前に出るところでかわされてしまったり。自分自身は絶不調みたいな感じで・・・」と猛省。それでもチームの危機を救う渾身のプレーで目標の「ゼロ」に抑えた。

 チームは今季、総理大臣杯で日本一を獲得。この優勝は「アビスパのおかげ」だと宮路は言う。宮路は昨夏からアビスパ福岡の練習に参加してきた(08、09年は福岡の特別指定選手)。Jリーガーたちとともにプレーする中で課題をひとつずつ詰めることができた。「自分がレベルの高い相手に対してどうプレーしないといけないかを気づかせてくれた。それが日本一につながったと感じている。だから自分を成長させてくれたクラブで恩返ししよう」と福岡入りを決めたという宮路。その好漢は今大会の日本一獲得で、夏からさらに成長したことを示す。

(取材・文 吉田太郎)

特設:大学選手権09

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