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[大学MOM48]明治大GK高木駿(2年)_蹴る前に決めた2本のPKセーブ

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[大学サッカーマン・オブ・ザ・マッチ]
[12.23 全日本大学選手権準々決勝 明治大1-1(PK4-2)鹿屋体育大 平塚]

 今度は止めて勝った。明治大のGK高木駿(2年)が本職の“守り”で2試合連続PK戦勝利の立役者となった。

 後攻1人目、鹿屋体育大のMF赤尾公(4年)のキックを左に飛んでセーブ。明大は4人連続で成功させ、4-2で迎えた4人目後攻のMF梅村匠人(4年)のキックも今度は右に横っ飛びで弾き出した。5人目を待たずして、明大の勝利が決まった。

 1回戦の仙台大戦もPK戦で勝利したが、このときは仙台大の選手が枠を外したため、高木がPKを止めたわけではなかった。「止めて勝ちたいというのは絶対にある。止めて勝った方がすっきりするので」。会心の笑みだった。

 仙台大戦では5人目のキッカーとして自ら成功させ、勝利を飾った。キックにも自信のある守護神はこの日も5人目のキッカーを務めることになっていた。「4人目の山本さん(山本紘之)が決めてくれて、“よし!”と思った。あとは自分次第。止めるのも、決めるのも自分なので」。

 もし相手の4人目に決められていても、5人目のキッカーとして自分が成功すれば、やはり勝利を決められた。「(キッカーとしても)自信があった」という高木にとって、山本が決めて“王手”をかけた時点で、勝利の確信があった。

 PKセーブにはチームメイトの助けもあった。鹿屋体育大の1人目を務めた赤尾の鹿児島実高時代の2年後輩にあたるDF楠木啓介(2年)はPK戦の前に「(赤尾はGKから見て)左に蹴ることが多い」とアドバイスを送っていた。

 「それを信じて飛んだら、本当に来た。相手のGKも“中尾、いつも通りな!”って声をかけていたので、いつも通りってことは…って。蹴る瞬間の軸足も開き気味だったので、左に来ると思った」。“情報戦”の勝利だった。

 2試合連続のPK勝ち。「そろそろ普通に勝ちたいですね。僕が活躍するのはチームにとってよくないので」と苦笑いを浮かべたが、たとえPK戦になっても「高木がいる」とチームメイトに思わせるだけの頼もしさがあるのは間違いない。

<写真>PKを2本セーブした明治大GK高木駿

(取材・文 西山紘平)

特設:大学選手権09

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