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[高校MOM135]ルーテル学院FW山本大貴主将(3年)_開幕戦で“驚き”の2発

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.30 全国高校選手権1回戦 帝京 1-3 ルーテル学院 国立]

 試合を決めたのは指揮官も「驚いた。彼はそんなに“上手い”選手ではないのに。滅多に入れたことのないようなシュートを決めてくれた」と驚きの声をあげた、エースの2本の“スーパーゴール”だった。
 
 1-1で迎えた後半23分、ルーテル学院はMF藤原孝(3年)が縦に送ったフィードにFW山本大貴主将(3年)が反応する。山本主将は相手DFに距離を詰められていたが、その先に飛び出してきているGKの姿も見逃さなかった。頭でコントロールすると浮き弾を「GKの動きをよく見て決めることができた」とそのまま左足ボレーで叩く。するとボールは必死に背走するGKの横を抜けてゴールへと吸い込まれた。

 後半11分に追いつかれた後、守勢に立たされていたチームを救う鮮やかな一撃。だが、この日の山本はこれだけでは終わらない。39分には相手GKがクリアしたボールの落ち際を左足ダイレクトで救い上げて、鮮やかなループシュートを決めたのだ。「DFが必死に守ってくれていたので前が点取るだけだった。自分は1点取ればいいと。2点も取れたのはうれしい」とエースは会心の2発に表情を緩めた。

 抜群のバネと思い切りの良さが武器という山本。元々は左サイドが本職で2年前の全国大会も左サイドの選手として選手権のピッチに立った。だが、今年4月に小野秀二郎監督の「(ルーテル学院では)相手DFにとって彼が一番嫌な選手。その選手を相手の喉元(ゴール前に)へ置くことが相手にとっても嫌だと思った」という提案によりFWへコンバート。その“槍”が期待通りに相手ゴールを突き破った。

 注目を集めた開幕戦で2発。全国初勝利をもたらしたFWには今後ゴール量産の期待もかかる。山本は「まずは一戦一戦、目の前の敵を倒していく」。県大会準決勝、決勝でもゴールを決めるなど大舞台で勝負強さを発揮しているエースが、この勢いで次なるライバルのゴールも射抜いてみせる。

(取材・文 吉田太郎)

特設:高校サッカー選手権2009

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