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[高校MOM136]八千代FW石川誠也(3年)_フットサル仕込みのハットトリック

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 八千代5-0中津工・中津東 フクアリ]

 大会第1号ハットだ。八千代(千葉)のFW石川誠也(3年)がハットトリックでチームを大勝に導いた。前半4分、相手DFにプレッシャーをかけ、クリアボールに体を当てた。素早くこぼれ球を拾うと、飛び出していたGKのポジションを見逃さず、右足でゴールへ。幸先の良い先制点を決め、「1点目を前半で取れたので後半は狙っていた」と、この時点でハットトリックを意識していたという。

 3-0とリードした後半6分にはMF黒氏啓介(3年)のシュートをGKが弾いたところにつめ、2点目。その後も果敢にゴールを狙い、後半30分、MF長澤和輝(3年)との3度のパス交換で完全に守備組織を崩し、冷静に右足でゴールに流し込んだ。

 シュート数は実に10本。打ちに打った結果のハットトリック達成に「覚えていないぐらい久々。高校に入ってからあったかもしれないけど、記憶にない」と笑った。

 10月の練習試合で右足首を捻挫し、ギブスをはめるなど約1ヵ月間、練習できなかった。県大会では1回戦を欠場するなどなかなか本調子に戻れず、「県決勝のころは痛みはなかったけど、筋肉がかなり落ちていて、足をつったりもした」と言う。それでも全国大会に向けコンディションを上げ、24日の帝京との練習試合では1得点。完全復活への足がかりをつくった。

 中学時代、所属していたクラッキス松戸では、主な練習場がフットサルコートだったこともあり、サッカーと同時にフットサルの大会にも出場していた。中学3年時にはフットサル全国大会で優勝も経験。「サッカーのミニゲームみたいな感覚ですけど、チームとしてどうパスを回していくかとかは今の八千代のサッカーにも生きていると思う」と胸を張った。

 フットサルでのポジションもピヴォ(サッカーで言うセンターフォワード)。点取り屋としての感覚も養われた。砂金伸監督は「クラッキス松戸は個性派チームで、個を伸ばすにはとてもいいチーム。石川の柔らかさにはフットサルの経験も生きていると思う」と指摘する。

 高校に入ってからは朝の自主トレ約40分、全体練習後の約1時間の居残り練習と、ひたすらシュート練習に取り組んできた。全国大会でのハットトリックも努力の結晶だ。

 得点王については「意識しないで、1つずつやっていくだけ」と話したが、「1試合1ゴールが自分の中で目標」とも言う。その目標を達成すれば、チームの優勝も、個人としての得点王も、現実味を帯びてくるはずだ。

(取材・文 西山紘平)

特設:高校サッカー選手権2009

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