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[高校MOM137]旭川実FW下田速人(1年)_初先発で2発のラッキーボーイ

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 旭川実4-0南風原 フクアリ]

 旭川実(北海道)の1年生FW下田速人が公式戦初先発で2ゴールを叩き込んだ。本来はレギュラーのFW山田海(2年)がケガをしていることもあり、全国大会でめぐってきた初先発のチャンスを見事につかんだ。

 「練習でだいたい先発かなというは分かっていた。気持ちを入れて試合に入れた」。前半4分、FW高橋勇侑希(3年)のスルーパスから先制点。「練習試合でも点を取ってなくて、ずっと決めたいと思っていた」という1点で波に乗った。2-0の前半21分、再び高橋のパスから自身2点目を奪った。

 富居徹雄監督は「偶然、点を取っただけ。あいつはごっつぁん。周りがお膳立てして点を取れた。そこは勘違いしないでほしい」とあえて厳しい言葉を口にした。「技術は持っているが、自分のプレーの出し方が下手。内弁慶なところもあって、この3年間で人間的にも成長しないといけない」という期待の裏返しでもある。

 まだ1年生。監督として、調子に乗らせたくないという気持ちも分からなくはない。試合後、約20人の報道陣に囲まれた下田をすぐにバスに乗せるなど、長時間の取材対応も許さなかった。

 とはいえ、下田自身「自分は何もできなかった。ボールを奪われたり、パスミスが多くて」と表情を引き締めていた。本人も監督の思いを理解し、先輩への感謝を忘れなかった。

 「今日は周りが自分を生かしてくれた。次は自分で点を取りたい」。ラッキーボーイの出現は、大会を勝ち上がる上で欠かせない。「夏まではメンバーに入れず、1年生だけで合宿もやらせていた。そこから伸びてきた選手」(富居監督)という16歳のニューヒーローが、次は八千代(千葉)撃破を狙う。

(取材・文 西山紘平)

特設:高校サッカー選手権2009

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