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[高校MOM141]作陽MF柳直人(3年)_“作陽のメッシ”が高速ドリブルで2発

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 松商学園 1-4 作陽 埼玉]

 速い。止められない。快速ドリブラーがピッチを疾走した。作陽(岡山)のMF柳直人が圧巻のスピードで2得点を奪った。

 まずは1-0の前半26分、右サイドで縦パスに抜け出し、一気にDFラインの裏へ。そのままドリブルで突き進み、相手GKの位置をよく見て左下に決めて見せた。

 そして、3-0で迎えた後半開始直後、今度は左サイドでボールを受けると、一気にトップギアへ。ドリブルで3人を交わし、角度がほとんどないところから鋭く右足を振り抜いた。4-0と試合を決める一発を見舞った。

 「ゴールは狙い通り。DFの裏を狙ってました。自分はチームで一番、足が速いので、いつもカウンターを狙っています。自分のストロングポイントはドリブルなんで、ドリブルは努力してます」

 163cmの突貫小僧が満面の笑みをうかべた。野村監督の方針もあり、柳は積極的にドリブルを仕掛ける。利き足こそ右と左で違うが、バルセロナのリオネル・メッシが目標。何度もメッシのDVDを見ては研究し、練習後はDF陣にお願いして居残りで、1対1を繰り返した。昨年のこの大会ではスタンドで応援団長を務めていたが、努力が実って先発を勝ち取った。

 どん底から這い上がった。7月、左足首の疲労骨折を患った。一番成長するであろう、高校3年生の夏をリハビリに費やした。8月下旬に練習復帰したが、体のキレが戻らない、ボールが足につかない・・・。新チーム発足後、レギュラーをつかんでいたのに、試合に出られない悔しい日々が続いた。それでも、居残りで必死に練習し、ようやくトップフォームに戻した。

 この大会はアピールの場でもある。11月に、大阪体育大のセレクションを受けたが不合格になった。選手権終了後の1月中旬には流通経済大の試験を受ける。その前に、少しでも全国に名前をとどろかせたい思いがある。

 「サッカーやる以上はプロになりたい。大学に行って、その道を打開したいです」と柳。鋭いドリブルで全国の猛者たちを、そして“サッカー人生”を切り開く。

(取材・文 近藤安弘)

特設:高校サッカー選手権2009

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