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[高校MOM156]尚志FW渡部圭祐(2年)_逸材ついにベール脱ぐ

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 東北 1-1(PK2-4)尚志 平塚]

 この選手の投入がなければ、尚志が同点に追いつくこともなかったかもしれない。今大会初出場ながら、大仕事をやってのけたのが2年生のFW渡部圭祐だ。

 渡部は先月5日に疲労骨折をし、全治3ヶ月の診断が下った。しかし「絶対に選手権でプレーする」という一心で治療に励み、驚異的な回復を見せる。左足小指の骨は「まだ完全にはくっついていない」(渡部)という。それでも、監督に出場を直訴した。指揮官に「試合に出てもしものことがあったら、将来に影響するかもしれない。それでもいいのか?」と問われると「いまが一番大事なんです」と気丈に言い切った。

 後半開始直後から満を持してピッチに立つと、これまでの鬱憤を晴らす勢いで果敢にドリブルを仕掛けた。後半20分には「高校に入って初めて」というヘディングでのゴールでチームを救うと、PK戦では「決めれば勝ち」というプレッシャーのかかる5人目で登場し、冷静にゴールを奪った。

「(PK戦は)緊張することなく、自信を持って狙い通りのところに蹴ることができました」と強心臓ぶりを披露。メッシにあこがれ、今大会の目標は「1点でも多く点をとること」話す期待の逸材が、ついにベールを脱いだ。

(取材・文 鈴木智之)

特設:高校サッカー選手権2009

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