beacon

[高校MOM159]境GK倉凌太(2年)_“カベナチオ”最後の砦

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 四日市中央工 0-2 境 駒沢]

 今大会2試合連続完封勝利を成し遂げた、堅守・境の“カベナチオ”最後の砦だ。この日、昨年度8強の四日市中央工と対戦した境は得意の守備的戦術を敢行。自陣に引いて守ったため、相手の分厚い攻撃に何度もゴール前まで押し寄せられた。だがDF陣が安定した守備で相手の攻撃を阻むと、危険な場面も2年生GK倉凌太が再三の好守でゴールを死守。得点を許さなかった。

 倉は身長171cm、体重60kgと細身。だが、日本高校選抜の四日市中央工GK村井泰希との2年生GK対決に対し、堂々の勝利を飾った。前半21分に先制した後は、同点に追い付こうとする四日市中央工ベンチからの「(GKの身長が低いから)アーリークロスを入れろ!」指示で容赦なく空中戦勝負を挑まれた。だが、「いつもよりもクロスの対応ができたと思う」と振り返った倉は全く動じない。リスキーなボールに対してはワンハンドで確実に弾き、質の低いボールに対してはすぐさま速攻へと切り替えた。

 相手に放たれたシュートも14本を数えたが「まれに見る当たり日」と笑顔の守護神はことごとくビッグセーブ。廣川雄一監督に「きょうのマン・オブ・ザ・マッチは倉。よくやってくれた。(相手の徹底したロングボールに対しては)不安だったが、積極的によく飛び出してくれた」と讃えられていた。

 県大会は2番手。だが、決勝の後半途中に正GKだった中村基紀(3年)が負傷退場し、突如出番を与えられてからポジションを守り続けている。守護神の座に就いてからまだ日は浅いが、鉄壁の守備陣に守られていることもあり、“カベナチオ”(境港市が「ゲゲゲの鬼太郎」の郷であることから「ぬりかべ」を喩えてネーミング)最後の砦は自信を持ってプレーをしている。
 きょうの試合についても「いけると思っていた。先輩達が安定しているし、シュートも打たれる気がしなかった」と強気。そして3回戦へ向けては「きょうみたいにゼロでいきたい」と言い切った。
 
(取材・文 吉田太郎)

特設:高校サッカー選手権2009

TOP