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[高校MOM162]藤枝明誠MF辻俊行(3年)_黒子役に徹する司令塔

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 国見 1-4 藤枝明誠 西が丘]

 藤枝明誠の司令塔、MF辻俊行(3年)はもともと攻撃的な選手だった。しかし、今大会はグッとその気持ちを抑えている。ボランチコンビを組んでいたMF小川哲生主将(3年)が負傷により出場が出来ず、代わりに本来トップ下の原口祐次郎(2年)とコンビを組むことになった。豊富な運動量で広範囲をカバー出来る小川ではなく、パスセンスがあり、裏への飛び出しが得意な原口とのコンビとあって、彼は原口の攻撃力を生かすべく、黒子役に徹した。

 この試合でも、「中盤で潰して、奪ったらすぐサイドを意識した」と語ったように、鋭い読みと高いボール奪取能力を生かして、国見の反撃の芽を巧みに摘み取ると、得意の精度の高いキックで、ボールを左右に巧みに蹴り分けて、チームの攻撃をコントロールした。

「小川がいない分、自分がそういう役回りになることはわかっていました。チームが勝つために戦っているのですから、僕自身もチームの勝利を第一に考えてやりました」。

 派手な攻撃陣と、ファインセーブを見せるGK甲斐透真、CB藤原賢土(ともに3年)らの影に隠れがちだが、チームプレーに徹する黒子の存在があってこその藤枝明誠の進撃であることを、忘れてはならない。

(取材・文 安藤隆人)

特設:高校サッカー選手権2009

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